PREVIEW

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 相馬監督は9月22日の川崎F戦を終え、「悔しい思いをしないためには、日々の取り組む姿勢を変えていかなければいけない」と選手たちへ伝えた。悔しさを味わわないために、いま出来ることをやろう。チームは再び一致団結し、これまで以上に質や強度を意識してトレーニングを行った。

 そして迎えた9月26日のC大阪戦。先制を許す苦しい展開となったが、上田の2ゴールで逆転勝利を飾った。相馬監督は「前回の悔しさをバネに、選手たちが一生懸命取り組んでくれた」とチームの成長を語り、「この勝利は非常に大きい」と喜びを噛みしめた。これは本当に大きな勝ち点3だ。

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 内容に目を向けても、多くのポジティブな点があった。とりわけ際立っていたのが、ボランチでコンビを組む三竿とピトゥカだ。試合を重ねるごとに両者の連係は深まっており、C大阪戦でも見事なパフォーマンスでチームを勝利へと導いた。ピトゥカが幅広いエリアでプレービジョンや技術力を発揮すれば、三竿は周囲の選手を動かし、全体のバランスを取りながら、個人としても攻守両面で存在感を示す。キャプテンシー溢れる2人のボランチは、いまやチーム最大の武器といえる。

 また、1対1の局面でほとんど相手を上回った点も大きかった。スペースがある状況では、両サイドともに対峙する選手を攻守両面で上回った。試合後に松村が「積極的にプレーすることができた」と語ったとおり、選手個人にとっても、励みになる一戦になっただろう。

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 しかし、収穫のみならず、多くの課題も見つかった。相馬監督も「これで満足してはいけない。自分たちの流れの場面で、スコアの面でもリードしていけるようにしていかなければいけない」と改善の必要性を語る。

 特に攻撃面では、相手にスペースを圧縮されると攻略に苦労する場面が目立ち、判断の精度と速度の向上の余地がみられた。攻撃の速度は単純なスプリントの速度では上がらない。トレーニングから意識的に取り組む必要があるポイントだ。また、リードした後のゲームマネジメントは課題が残る。オープンな展開を得意とするアントラーズだが、得点後はリスクマネジメントを徹底したいところだ。

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 多くの収穫と課題を得て、次の横浜FC戦に臨む。横浜FCは順位こそ最下位に沈むが、前節は2位の横浜FM相手に2-2と引き分け、勝ち点1をもぎ取った。シーズン途中加入の新外国人選手もチームにフィットしつつあり、警戒が必要だ。難しい試合展開となることも覚悟しなければならない。

 ただ、舞台はカシマスタジアムだ。我々にはともに戦ってくれる背番号12がいる。ファミリー全員で戦えば、苦しい時も必ず乗り越えられる。勝利のために戦い、歓喜を分かち合おう。

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