関川郁万は今年でプロ入り3年目を迎えた。加入1年目は、ほとんど公式戦に絡むことができなかったが、2年目の昨季はリーグ戦15試合、カップ戦2試合に出場し、成長のきっかけを掴んだ。本人も「まったく試合に出られなかった1年目よりも、昨季は試合に出場できたことで、間違いなく成長できたと思う」と語る。
しかし、己の成長を実感する一方で、これまで感じることのなかったミスへの恐怖心を感じるようになった。
「正確にプレーしようとするあまり、プレーが縮こまってしまうところがあった」
CBは一つの判断ミスが失点に直結してしまう。その失点がチームの敗戦につながり、ひいてはシーズンの結果につながる。1つ1つのプレーの重要性と奥深さ、責任の重さを知れば知るほど、プレーの選択は消極的になりがちだ。
ただ、アントラーズには「CBはやられながら学んでいく」という至言がある。クラブ史に名を残す過去の偉大なCBも、若い頃はミスの連続だった。ただ、周囲のサポートを受けながら、多くの失敗を経験しながら、勝利を重ね、大きく成長を遂げた。いまの関川はまさにその過程にいる。
9月18日のG大阪戦。犬飼智也とブエノの負傷離脱で出場機会が巡ってきた。この試合では、PKを献上してしまったが、それ以外の場面ではシーズン前半と見違えるような落ち着きと冷静さがあり、安定感のあるプレーでチームの勝利に貢献した。
直近の川崎F戦でも多くの課題が見つかったが、リーグ屈指のFWであるレアンドロ ダミアンに対して一歩も引かず、ほとんど自由を与えなかった。またビルドアップでの貢献度も高く、ミスを恐れない鋭い縦パスで、攻撃の起点となった。
まだまだ荒削りだが、ポテンシャルの高さは誰が見ても明らかだ。あとは、その才能を開花させられるか。そのきっかけを自らの手で掴めるかだ。
「僕にとってはいまがチャンス。このチャンスを活かさないと、この先の立場は変わっていかない。自分の力を発揮して勝利したい」
飛躍を誓う背番号33、関川郁万の活躍に期待しよう。