PREVIEW

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 前節のFC東京戦はチームに勢いをつけるためにも、絶対に勝利が求められる一戦だった。試合前に相馬監督も選手たちにこう伝えていた。

「選手たちには目の前のことに集中して欲しいと言っている。もちろん、先を見てはダメ。過去のことも反省しないといけないが、出てしまった結果は変えられない。そこに縛られると雰囲気も悪くなるし、パフォーマンスも上がらない。目の前にあるものに自然と集中することが大切になる。楽しむようなトレーニングも本当に楽しまないと意味がない。だから、目の前のことに一生懸命になることが大事」

 指揮官は「目の前の試合に集中すること」を選手たちに求めた。未来を気にしたり、過去の結果に縛られる必要はない。今を全力で楽しみ、一生懸命に戦って欲しいと伝えた。そして勝利を掴むためのポイントとして、指揮官は次のように語った。

「どのゲームも同じことだが、先制点は大きなポイントになる。先制点を取りに行く『エネルギー』を出していくことが大事になると思っている」

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 FC東京戦を見れば、明らかだ。指揮官の言葉は選手たちにしっかり届いている。試合開始からエネルギッシュなプレーで相手を圧倒すると、攻めあぐねる時間帯はあったものの、欲しかった先制点をセットプレーから町田のヘディングで奪うことに成功した。そして、前半終了間際に松村がJ1初ゴールを決めて追加点を奪うと、後半は0-0で推移したが、最後に怪我から復帰した上田がダメ押し点を決めて、3-0と快勝を収めた。

「選手たちにも連勝しようと伝えて試合に入った。これまでできなかったことなので、よりパワーを出さないといけなかった。ここで勝ち切って勝利のサイクルを作って行く必要があった。選手たちには『エネルギーを出してチャレンジしよう』と伝えて送り出したが、ピッチ脇で見ていても、この大事な試合で選手たちからすごくエネルギーを感じるものがあった。伝えていたことが形にできて良かったと思う」

 相馬監督が手応えを語ったとおり、選手たちは自らがやるべきことを理解し、ピッチ上でそれを表現できていた。試合のポイントだった先制点をセットプレーから奪ったこと、攻守の切り替えや球際の勝負で圧倒したこと、全体をコンパクトな陣形に保ち続けたこと、90分間集中を切らすことなく戦い抜いたこと。指揮官の求めることを選手たちが理解し、体現し、狙い通りの形で勝ち取った会心の3ポイントだった。

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 ただ、どんな良い試合をしようと、相馬監督の姿勢は変わらない。選手たちには、常に「目の前の試合に集中し続ける」ことを求めている。試合後の会見でも、「中2日で連戦が続くので、しっかりと戦う準備、ファイティングポーズをとっていきたい。相手よりも休息期間が少なく、不利なところも出てくるだろうが、今日出場した選手だけではなく、ほかの選手も含めることで、よりピッチで戦える状態を作り、名古屋に乗り込みたい」と、すぐにアウェイ名古屋戦を見据えた話をしていた。

 試合から試合へ。準備期間は限られているが、やるべきことは変わらない。

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 次の対戦相手は名古屋グランパスだ。今季はリーグ2位と好調で堅固な守備はそう簡単に崩れることがない。3月21日の前回対戦でも、アントラーズは名古屋の守備を崩せず、セットプレーの流れからの失点で0-1と惜敗を喫している。今回も非常に厳しい戦いになることを覚悟しなければいけないだろう。

 さあ、真価を問われる重要なアウェイゲームだ。攻守ともにセットプレーでは集中し、我慢の時間帯は選手全員で凌ぎ、攻守の切り替えと球際の攻防で相手を上回ろう。いまのチームであれば、必ず難しい試合でも勝ち切れるはずだ。ここから連勝街道を突き進むために、離れていてもアントラーズファミリー全員でともに戦い、必ず勝ち点3を掴み取ろう。

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