PREVIEW

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 水曜日の名古屋戦は『今シーズン初の3連勝』、『上位の名古屋へのチャレンジ』、『前回対戦のリベンジ』という3つのテーマを掲げて戦った。FC東京戦からは中2日という厳しい日程だったが、相馬監督は「自信を持ってアグレッシブにプレーしていく。チャレンジャーとして自分たちの持っているものを出していく」、「力のすべてを出し切ってプレーしよう」と選手たちへ伝え、連戦の中でも目の前の試合に全力を注いだ。

 そして選手たちは敵地の豊田スタジアムで相馬監督が求めた「アグレッシブ」に戦う姿勢を見事に体現してみせた。立ち上がりから球際の攻防で相手を上回り、セカンドボールへの反応や攻守の切り替えも早かった。ボールの即時奪回に成功した後も、球離れやサポートの距離が非常に良く、安定したボールポゼッションで名古屋を圧倒した。

「選手たちが持っているものを出してくれた。それによって先制点を取ることができ、終盤に追加点も取ることができた。選手たちが献身的なプレーやチャレンジし続けてくれた。感謝したい」

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 FC東京戦からスタメンは6人を入れ替えたが、全員が期待に応える活躍をみせてくれた。相馬監督も選手たちのパフォーマンスに非常に満足していた。リーグ戦では久々の先発起用となった杉岡は貴重な追加点を挙げ、アラーノは凄まじいトランジションの早さでチームを大きく助ける活躍をみせた。また、遠藤は経験に裏づけされた気の利いたポジショニングで攻撃の潤滑油となり、永木とピトゥカはゲームコントロールとリスクマネジメントで一切の隙をみせず、被シュート0に大きく貢献した。

 特に際立ったのが、トップ下に入った小泉の存在感だった。立ち上がりから攻守両面でハードワークを続けていた小泉だが、90分通してプレー強度は全く落ちない。ハードワークはデータにも現れており、走行距離は今季リーグ全体3位となる13.45km、スプリント回数もこの試合最多となる41回を記録した。まさに指揮官が求める「アグレッシブ」さを体現した選手といえる。

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「選手たちがやってくれると信じていた。中2日での試合が続く中で、間違いなく必要になってくるのがアグレッシブさ。この考えのもと、選手をチョイスした。プラスのエネルギーを出している選手や組み合わせの部分を考慮した中での11人だった。自分が想定していた以上のアグレッシブさで戦ってくれた。選手たちを信じて送り出して良かった。連勝している流れで選手を変えずにリスクを犯さずという考えもあったが、選手たちに『チャレンジしろ』と言っているのに自分自身がチャレンジしないのはどうなのかと思い、今回このような選択をした。また次の試合へ向けて、アグレッシブにチャレンジし続けることができるように準備していく」

 自信を確信に変えるリーグ戦3連勝だ。選手全員を力を合わせ、同じ方向を向いて戦えるようになってきた。いま、チームは非常に良い緊張感で試合に臨めている。

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 ただ、本当に難しいのはここからだ。どんな物事も上手くいかない時より成功している時の方がマネジメントは難しい。連勝を続けているときこそ、さらなる成長を求め、一つひとつの目標を達成していく必要がある。指揮官が繰り返し語っている「目の前の試合に集中する」こと、「チャレンジャーとして戦う」姿勢を崩さないことが重要だ。

 次の対戦相手は、試合前の段階でリーグ暫定3位の横浜FMだ。横浜FMは開幕節で川崎Fに敗戦して以降、リーグ戦11試合負けなしと安定した戦いをみせている。また、最近はさらに調子を上げており、リーグ戦直近4試合で13ゴールと爆発的な得点力で4連勝中だ。リーグ戦3試合連続完封勝利のアントラーズといえども、相手の攻撃陣を抑えるのは容易ではない。

 さあ、「オリジナル10」同士、意地とプライドをかけた伝統の一戦だ。いま最も重要なのは、挑戦者としてのメンタリティを強く持つこと、アグレッシブに戦うこと、そして何よりも勝利を掴むこと。アントラーズファミリー全員でともに戦い、必ずライバルに勝利して聖地で歓喜を分かち合おう。

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