PICK UP PLAYER

photo

 レオ シルバは現在のチームでスンテに次ぐ2番目の年長者となった。歴戦を勝ち抜いてきた彼の経験はアントラーズにとってかけがえのない財産だ。

「年を重ねたことで選手寿命が残り少なく感じるのは悲しい。だけど、その分経験を積んで、どんな状況にも落ち着いて対応できるし、力の使いどころもわかってきたのはいいこと」

 35歳になった今もなお、その向上心は衰えを知らない。高いプロ意識をもって日々のトレーニングに向き合い、「パス1本からボール奪取の技術まで、何においても進化し続けたい」と思って取り組んでいるという。

「現役生活も最後のほうに来ているのは確か。『明日の試合で引退する』となったとき、前日までいい加減に過ごしていたら、自分自身が一番納得できない。プロのサッカー選手として『最後までやり切った』と思えるように。そのために必要な時間の過ごし方をしないといけない」

photo

 だからこそ、若い選手にはこう諭す。「今日の練習が終わったということは、人生において練習できる日が1日減ったことを意味する。1日、1日を大切にしなきゃダメだ」。そして「なぜ練習して」、「なぜ結果を求めるのか」、考えなければならないと言う。

 長いプロキャリアを経験してレオが導きだした答えは「クラブのため」だった。クラブに多くのタイトルをもたらせば、その発展につながり、ひいては自身の価値を高めることにつながる。だからこそ、ピッチ内外で献身的にチームメートを支える。彼がプロフットボーラーとして大切にしている価値観だ。

 今季もクラブハウスでは、レオが新加入のブラジル人選手に日本語を教えている場面がみられる。直近の鳥栖戦でデビューを果たしたピトゥカは、チームメートとのコミュニケーションに関して「レオに頼っている部分もある」と話し、「みんなが僕を受け入れてくれた。なんといってもレオの存在が大きい。レオがいることでほかの選手とのコミュニケーションがとりやすくなる」と、レオへの感謝を繰り返し語っていた。

 彼の「チームメートを支えたい」という思いはプレースタイルにも表れている。球際の強さや足元の技術が注目されがちだが、周囲を活かすプレーも得意だ。経験に裏づけされた読みの早さで味方の守備をカバーし、卓越したボールキープ力で味方に時間とスペースを与える。一つのパスにしても、ピッチコンディションを考慮して相手の受け取りやすいボールを送る。若手選手が生き生きとプレーできる背景には、中盤に君臨する背番号4の存在がある。

photo

「もっとお互いの長所を引き出しあって短所を補う。そうすれば、自ずと結果はついてくる」

 彼の姿勢は変わらない。クラブのためにプロフェッショナルな姿勢を貫く。レオ シルバとともに戦い、これからも勝利を掴み取ろう。

photo


pagetop