PREVIEW

photo

 直近のルヴァンカップ札幌戦は、前のリーグ徳島戦から先発10人を入れ替えたことが功を奏した。出場機会に飢えた選手たちが意欲的かつ挑戦的な姿勢でプレーし、勢いで札幌を押し切った。結果は松村、荒木、白崎のゴールで3-0と勝利。グループステージ突破に向けて、大きな勝ち点3を手にした。

 札幌戦では若手の活躍が目立った。先制ゴールの松村、2点目を決めた荒木をはじめ、染野も要所で存在感を示し、プロ初先発の林やコンビを組んだ関川も積極的にプレーした。彼らの台頭は、他の選手に新たな刺激を与え、チームを活性化させる。

 ただ、彼らの活躍の裏に経験豊富なベテランの存在があったことを忘れてはいけない。若手の挑戦的な姿勢はチームに前向きな活力を与える一方、ときに無謀な挑戦でピンチを招いてしまう。相馬監督も試合後に「若い選手はパワーやエネルギーを持っている。ただ、それがすべていい方向に出ればいいが、そうではないことも出てくる」と語り、チームを引き締めたベテランの重要性をこのように説いていた。

「若い選手が多いなか、キャプテンの亮太、ヤス、スンテといったベテランである彼らが、重心を下げることなく、前に行きながらもバラバラにならないようにうまくコントロールしながらやってくれた。前回(徳島戦で)取れなかった追加点を取って、無失点で試合を終えてくれた。(若手選手を)コントロールする部分のバランスを含めて、今回出場した選手たちが、それぞれの役割を理解しながら、グループとして勝利に向かっていくところを表現してくれたと思う」

photo

 選手全員が求められている役割を理解し、自分の必要性を感じ、長所を出し、欠点を補い合い、全員の力を合わせて勝つ。札幌戦ではフットボールの根幹ともいえる共闘精神を全員で体現できた。相馬監督は言葉を選びながらも、たしかな手応えを口にする。

「このチームはパワーを持っていると確信できる試合だった。それは僕だけではなくて、選手たちもそう確信できる試合になったと思う。これからもまだ連戦は続いていくが、(この勝利は)今後につながっていく」

 連戦はつづき、課題を修正する時間はほとんど残されていない。ただ、監督交代からの2試合でチームは少しずつ意思統一を図り、判断基準を揃えてきた。遠藤もポジティブな変化を感じ取り、「監督が代わり、みんなが危機感を持っている。ピッチ内で選手が話すようになった」と語る。少しずつ状況が上向いている実感がチーム全員にある。

 さあ、次の対戦相手であるヴィッセル神戸は暫定5位と今季好調だ。難しい試合となることが予想されるが、気持ちを一つに戦おう。アントラーズファミリー全員の力を合わせれば、必ず結果はついてくる。

photo

pagetop