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 昨季、エヴェラウドは18ゴールを挙げ、最前線でチームを牽引した。ただ、加入1年目の感想について聞けば、「個人としての成績を見れば、素晴らしいシーズンになったのかもしれないが、チームとしてはあまり思わしい結果を残せなかった」と語った。彼はフットボールが『チームスポーツ』であることを誰よりも理解している。

「チームメートは献身的に僕をサポートしてくれる。それは日本人の教養や文化も影響しているんだろう。言葉や文化が違う僕からすれば、本来は慣れるのに時間がかかるもの。だけど、彼らはいろんな方法でコミュニケーションを取ってくれる。だから、僕自身もそんな彼らの気持ちに応えなくてはいけない。『相思相愛』とまで言えるかわからないけれど、しっかり絆で結ばれているーー。彼らには感謝の気持ちとともに、厚い信頼を感じている」

 エヴェラウドが語る「チーム」は選手だけではない。対象はクラブを愛する者すべて含まれる。

「サポーターの皆さんには温かく迎え入れてもらい感激している。僕はこのようにいかつい風貌だけど、実は感情的に弱いタイプでもある。一生懸命にピッチで戦い続けて、チームに結果をもたらすことが恩返しになる。僕らは選手は、サポーターの皆さんのことも代表して、胸についているエンブレムに誇りをもって戦わないといけない。皆さんの思いを常に背負いながら、ピッチに立っている」

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 サポーターがいるから力が発揮できる。無観客試合ではフットボールの喜びを感じづらく、人々を喜ばせている実感を得ることが難しい。エヴェラウドはそう話す。

「サポーターの皆さんの喜ぶ姿を見ると、嬉しい気持ちになる。シーズン当初はゴール裏に多くのサポーターがいて、太鼓をたたいて、応援歌を歌ってくれていた。今はスタジアムを満員にすることができず、残念な思いもあるけれど、それでもサポーターがいることを感じられるので、選手としてはとても喜ばしい」

 シーズンオフには、他国のクラブからオファーが届いた。だが、アントラーズへの熱い思いから残留という決断に至った。

「昨シーズンの最終節、C大阪戦後にサポーターからの温かい応援を感じ、それに応えられなかったので、涙が出そうになった。皆さんの期待に応えるためにも、僕はアントラーズで、このJリーグで、歴史をつくりたいと思った」

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 そんなアントラーズ愛溢れるエヴェラウドだが、いつも応援してくれるサポーターへお願いしたいことがあるという。

「サポーターの皆さんには、まずは健康に気をつけてほしい。そのなかで、出来る限りスタジアムに足を運んでもらい、制限のある中でも応援してほしいーー。それが今の切実な願い。そこで皆さんとともに大きな喜びを分かち合いたい。そのために、僕たちは最大限の努力をする」

 愛するアントラーズを勝利へと導くために。エヴェラウドは貪欲にゴールを狙う。

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