PREVIEW

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 前節は不甲斐ない敗戦だった。開始直後から浦和にボールを支配されると、最後まで主導権を奪い返すことができなかった。試合後にザーゴ監督も「試合内容がここまで悪かったことは初めてかと思う。選手間の距離が遠く、プレー強度も高くなかった。背後をつかれるプレーも多かった」と話し、「早急に修正していかなければいけない」と険しい表情で語っていた。

 言うまでもないが、選手たちも試合後の表情も暗かった。常本佳吾が「勝たなければいけなかった」と語れば、関川郁万は「自分たちがやろうと思っていたボールキープやビルドアップができなかった。ボールの奪われ方も悪かった。自分の前で武藤選手にボールを受けられたり、かわされたりというのが多かった。そこがうまくいかなかった部分のひとつ。自分がそこで自由にやらせすぎてしまったことが、負けにつながってしまった」と自身のプレーを悔やんでいた。

 厳しい状況に置かれていることは、全員が認識している。このままではさらに状況は悪化する。ここから這い上がるために何が必要なのか、チームのために出来ることは何なのか、いま一度、考える必要がある。「すべては勝利のために」。この意味を全員が考える必要がある。

 状況を好転させるのは、ネガティブな感情でも、やみくもな未来への希望でもない。厳しい状況を受け止めたうえで仲間を信じ、前を向いて戦い抜く強さだ。未来を変えるためには目の前の90分に集中するだけだ。

 アントラーズファミリーの思いは、声を出さずとも必ず伝わる。最高の雰囲気を創り上げれば、熱き魂を受け取った選手たちが、想像を遥かに超える力を発揮してくれるはずだ。一人ひとりの拍手、そして情熱に支えられたスタジアムの雰囲気は、選手たちの「あと一歩」を動かし、未来を変えてくれる。

 選手たちを信じよう。カシマスタジアムに集う全員でともに戦えば、必ず柏レイソルに勝利できる。

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