PREVIEW

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 直近のルヴァンカップ・福岡戦は5-1で快勝した。リーグ戦2連敗中という苦しい状況だったが、チーム一丸となって戦い、望み通りの結果を得ることができた。今後、この勝利はチームの確かな自信となって状況を好転させていくはずだ。

 収穫は結果だけではない。内容を見ても非常にポジティブな点が多かった。まずは、フォワードに得点が生まれたこと。エヴェラウド、そして上田と取るべき人が得点を取ったという事実は、現状を変える大きなきっかけとなり得る。ザーゴ監督も「攻撃陣にゴールが生まれたことは、チームが勢いに乗っていくために、非常に重要なこと」と話し、「攻撃の選手たちが点を決めると、状況が変わってくる」と安堵の表情を浮かべていた。

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 つぎに、これまで出場機会の少なかった選手が掴んだチャンスを活かしたこと。ザーゴ監督は名古屋戦後の会見で「もっとアグレッシブさを出していきたいと思う。次の試合で新たな姿勢を示していく」と語っていた。その言葉通り、福岡戦のメンバーには、新鮮な顔ぶれが並び、起用された選手が期待に応えてみせた。昨年7月26日以来の公式戦出場となったスンテは、安定感のあるハイボールの処理と的確なコーチングでベテランらしい高い貢献度を示した。プロ入り後初の公式戦出場となった常本、舩橋、林も、デビュー戦とは思えないパフォーマンスを見せた。ザーゴ監督も「(舩橋は)ここ最近、非常にいい意識でトレーニングに取り組んでいたので、チャンスを与えたいと思っていた。(舩橋)佑だけでなく、プロデビューとなったツネ(常本)もアグレッシブにプレーしていたし、林もまだまだ課題はあるものの、状態を見ることができた」と評価し、「若い選手たちが成長していくことは、チームにとって良いこと。これからもしっかりと指導していく」と今後に向けた大きな収穫の一つとして挙げていた。若手選手の台頭はチームの新たな刺激となっていくはずだ。

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 そして最後は、チームとしての成長をみせられたことだ。名古屋戦の試合後、ザーゴ監督は「トランジションの部分に課題がある」と語っていた。そのため、名古屋戦から福岡戦までの中5日の準備期間で、チームは課題改善のためのトレーニングを行い、修正を施した。その結果、福岡戦でトレーニングの成果を発揮し、トランジションの部分で相手を圧倒することができた。これにはザーゴ監督も「守備から攻撃の切り替えが非常に良くできていた。トレーニングの時から縦への意識を植え付けていた。取り組み続けてきたことが、試合でしっかりと出せていたと思う」と、チームの成長に手応えを感じていた。また、トランジションと等しく、重点的に取り組んでいたセットプレーのトレーニングが、結果につながった。先制点をコーナーキックから決めた上田は、「1点目はインスイングでニアを狙っていこうという狙いをがあった。チームとして、セットプレーからの得点という部分は課題だったので、このゴールは次につながるゴールだったのではないかと思う」と練習の成果を語り、「今日のように多くのゴールを決めて勝てたというところは自信になるし、間違いなくこの流れは次のリーグ戦へとつながってくる。早い段階で巻き返しをしていきたい」と語っていた。チームは着実に前に進んでいる、その実感がチームをまた成長させていくだろう。

 さあ、この福岡戦で得た自信をリーグ戦の結果へ繋げなくてはいけない。次は、勝利が義務づけられる浦和レッズとの大一番だ。ここまで浦和はリーグ戦6試合を消化して1勝2分3敗、アントラーズは5試合を消化して1勝1分3敗にとどまっている。ここからどちらが巻き返していくか。非常に重要な意味をもつ一戦だ。

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 戦いの舞台となる埼玉スタジアム2002に、アントラーズファミリーが駆けつけることはできない。だが、どこにいても、ともに戦って欲しい。選手たちはすべてのサポーターの気持ちを背負って、勝利のために戦う。

 アントラーズを愛する者の心は一つ。浦和に勝つーー。どこにいても、ともに戦い、そして必ず勝ち点3を掴み取ろう。

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