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 土居聖真に、2020年のターニングポイントを聞けば、内田篤人が引退して間もない明治安田J1第13節の柏戦を挙げた。途中出場から試合終盤に自ら2ゴールを決めて、3-2で逆転勝利を収めた試合だ。

「篤人さんの引退もあって、みんなに責任感が芽生えたところもあるけど、負けるかなという試合をひっくり返すことができて、チームに一体感が出てきたように思う」

 土居が活躍すれば、負けない。そこで勢いに乗ったチームは、さらに勝利を重ねていった。本人も「充実感はある。自分のプレーの善し悪しが、勝敗を左右することを感じた」と語っていた。責任感と使命感をこれまで以上に強く感じた2020シーズンだった。

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 ザーゴ監督就任2年目となる今シーズンは、昨季の戦術をベースにしながら、攻守両面で強度を上げ、どんな相手をも圧倒できるフットボールを創り上げなくてはいけない。そのためには高い技術に加え、優れた戦術理解力をもつ土居の力が必要不可欠だ。彼はピッチ上で必要なプレーを自ら判断し、チームが進むべき方向を示すことができる。

「やっぱり僕は、『人と人とをつなぐフットボール』が好き。人とプレーするのがフットボールだから。ホットラインみたいに言われるプレーも好きだし、ちゃんと相手を見てパスを出す技術だったり、相手を見てやめる技術だったりもそう。そうやって今まで考えてプレーしてきた。それに近いことを監督が要求してくれるので、このフットボールをアントラーズが目指していくなら自分も楽しめる」

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 理想を体現できたときに、どんな感覚が味わえるのか。「まだ楽しいといえるところまでは到達していない」と語るが、いつか『楽しみながら勝つ』が体感できるのではないか。未来への期待が膨らむ。

「(試合を重ねるごとに強くなっていく)自信がある。得点数にしても、今のスタイルを貫きつつ、決定機を外さなければ増えるはず。負けた試合は押し込みながらもチャンスをことごとく外している試合が多い。守備では相手に何もやらせない。そういう圧倒的なフットボールができるようになると思う。何より、このやり方でタイトルを取れれば、本当に見ているファン・サポーターも、プレーしている僕ら選手も、楽しくなると思う」

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 頼もしき言葉の数々からは、確固たる自信が感じられる。ゴール、チャンスメイク、ゲームコントロールとすべての攻撃を担う背番号8。土居聖真がアントラーズを進化させる。

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