PREVIEW

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 YBCルヴァンカップのグループステージ初戦は、鳥栖の粘り強い守備と運動量に苦しめられ、多くのチャンスはつくれなかった。それでも、ボール保持時のリスクマネジメントを徹底し、少ない決定機をしっかり決めきった。エヴェラウド、和泉、染野のゴールで、リーグ開幕戦の悔しさを払拭する勝利を飾った。

 試合後、ザーゴ監督は「清水戦からこの数日でどう回復するか、そしてチーム力が問われるなか、選手たちがピッチで良い回答をしてくれた」と、選手たちを讃えていた。なかでも、特に指揮官がポジティブに捉えていたのは、清水戦から7人を入れ替えても、チームとして目指すべきものを体現できたことだ。

「選手が揃うことで、いろいろな状況で臨機応変に対応することができる。キャンプからスタートしてきて、何人かフィジカル面やケガでフィットできなかった選手、和泉選手、白崎選手、合流が遅れたレオ シルバ選手、また昨シーズンは出場機会の少なかった選手たちもいた。その選手たちにとって(鳥栖戦は)チャンスだったが、非常に良いパフォーマンスをみせてくれた。彼ら全員が優秀であり、大事な選手だし、今日は誰かの勝利というよりも、チームの勝利だと考えている。選手たちの力で勝利を手にしたと思う。選手たちに『おめでとう』と言いたい」

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 手応えを感じていたのは、指揮官だけではない。先制ゴールを決めたエヴェラウドは、「トレーニングから狙っていた『自分の好きな形』で決めることができて良かった。新たな大会で良いスタートを全員で切りたいと思っていた。内容を伴ったうえで、みんなで目標を果たせて良かった」と充実の表情で話していた。そして、PKストップで試合の流れを大きく引き寄せた沖も、「PKのシーズンだけを見れば自分がピックアップされるが、いろいろな要因があってのPKストップ。そこは自分1人だけでなく、みんなの力で止めることができた」と、チーム全員で掴んだ勝利ということを強調していた。今シーズンの初勝利は、選手たちに大きな自信と安堵をもたらしたようだ。

 ただ、鳥栖戦で掴んだ手応えを継続していかなければいけない。G大阪戦は開催中止となったが、水曜日の湘南戦からホーム広島戦、アウェイ福岡戦、そしてホーム名古屋戦と過密日程は続く。結果の良し悪しに関わらず、試合から試合へとすぐに意識を切り替え、目前の90分に集中していく必要がある。

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 さあ、相手は湘南ベルマーレだ。昨季の対戦を振り返ると、アウェイでは圧倒的にボールを支配しながら、相手の粘り強い守備に苦しめられて得点を奪えず、セットプレーからの失点で敗戦を喫した。ホームではアラーノの劇的な決勝ゴールで辛くも勝利したが、湘南の守備的な戦術に苦しめられ、試合終了間際まで得点を奪えなかった。今回の対戦でも湘南は、豊富な運動量をベースに粘り強く守備をしてくることが予想される。非常に難しい試合になるだろう。

 だからこそ、真価の問われる一戦だ。昨季から継続して取り組んできたことの成果をみせなければいけない。内容と結果の伴った姿を示す必要がある。

   ここから連勝街道を進むために、まずは湘南戦で勝利を掴もう。平日夜の開催となるが、アントラーズファミリー全員で戦い、聖地でともに歓喜を分かち合おう。

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