PREVIEW

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 前節の柏戦は1-4と敗戦を喫した。ザーゴ監督は試合後の会見で悔しさを滲ませながら、こう語った。

「ホームにもかかわらず、自分たちが本来やれることができなかった。悔しい。アウェイでは安定した戦いや結果を残せるけれど、ホームではできていない。そこは改善しないといけない。家族や友人、支えてくれるクラブスタッフの前で戦える喜びはお金で買えるものではない。本来できることができないというのは、改善していかなければいけない」

 今季は攻守両面で試合の主導権を握るために、新たなフットボールスタイルへの変革を進めてきた。シーズン序盤と比べれば、ビルドアップの質は向上したし、守備の強度と練度も高まった。

 しかし、現時点ではカウンターに特化したチームに苦戦を強いられており、相手が守備的な戦いを仕掛けてくることが多いホームゲームでは厳しい戦いが続いている。この課題について、指揮官は「ホームではアドバンテージがあるのだから、自分たちが8割、9割ボールを保持して、相手に圧力をかけているべき。それがなかなかできていないというのは、改善しないといけない。その原因が気持ちなのか緊張なのか、まだ探っているところ」と語り、「いくら勝ちたいという状況でも、自分たちからバランスを崩してやるということは要求していない。そこは、最後までやり方を貫くということはもう一度強調していきたい」と、バランスの改善を目指した。

 新たなフットボールスタイルへの挑戦もまだ1年目。ここまでハイペースで成長を続けてきたが、まだまだ発展途上の段階だ。これからもっと強くなるために、結果を出しながらさらに成長を遂げる必要がある。そして、前節の悔しさが簡単に消えることはないが、来季のACL出場権を獲得するために、すぐに気持ちを切り替えることが求められる。

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 当然、選手たちはよく理解している。試合後、小泉は「カウンターを止められなかったのは最終ラインとして反省しないといけない」と悔しそうに語りながらも、「試合はすぐに来るので切り替えたい。残り3試合。すべて勝てば今とは違った順位に入れると思う。勝ちにこだわって、前半に失点しないことと立ち上がりをもっと大事にしていきたい」と、すぐに前を向いていた。そして、アラーノも「個人的には自信が深まっている。明日からは切り替えて次の試合に向けて準備したい。3連勝で終わらせる。自分たちのやるべきことを3連戦で出していきたい」と、前を向いた。

 浦和とのクライマックス。やるべきことは変わらない。信念を曲げる必要もない。今季ここまで取り組んできたことをピッチ上で表現し、自分たちのフットボールで相手を圧倒しよう。きっと聖地カシマは極上のフットボールを堪能する舞台になるはずだ。愛の溢れる大きな拍手と太鼓のリズムが、選手たちへ揺るぎない自信を与えてくれるだろう。

 スタジアムに集う全員の気持ちを共鳴させ、力強く勝利を掴み取ろう。アントラーズレッドの歓喜を響かせるために。全身全霊をかけ、カシマでともに戦おう。

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