PREVIEW

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「シーズンを通して、いい時もあれば悪い時もある。内容が悪くても勝利できたり、内容が良くても負けてしまったりすることがある。それが、フットボール。前節はさまざまな影響があって、うまくいっていなかった。中2日で私が求めていることを共有して、選手たちがそれを理解し、試合で求めたことをやってくれた」

 前節の神戸戦は3-1で勝利し、アウェイ3連戦を最高の結果で締めくくった。指揮官の振り返りからも感じられるが、前々節札幌戦の敗戦から立ち直るという意味でも非常に大きな一勝だった。

 札幌戦は長距離移動に加え、中3日で13時キックオフという過密日程も影響し、思うようなプレーができなかった。だが、そこから中2日の神戸戦では本来の強度を取り戻し、攻守両面でハードワークを実現してみせた。

 中2日の連戦でアグレッシブに戦うことは非常に難しい。ただ、限られた時間の中でチーム全員が最善の準備を尽くしたことにより強度の高いプレーを実現できた。過酷なアウェイ3連戦を全員の力を合わせて乗り越えられたことは、今後の自信につながる。

 また、神戸戦では7月22日第6節湘南戦以来の先発出場となった上田が躍動した。「自分に求められていることが必ずある。スタメンで出る意味を考えながらプレーした」と語った上田は、その言葉通り、献身的に守備を行い、最前線でチームを牽引すると、欲しかった先制点も奪ってみせた。さらにポストプレーから追加点の起点になり、チームの勝利に大きく貢献した。久々のチャンスで結果を残したことは、上田本人にとっても、チームにとっても大きな収穫だ。彼の活躍によって、チームはさらに勢いづくだろう。

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 ただ、上田の試合後のインタビューを聞けば、いまのチームに慢心や油断がないことが分かる。激闘の余韻が残るなかでも冷静に、「チーム全体で同じ目標設定ができていたし、同じ絵を描けていたので、勝利を得られたと思う。ただ、セットプレーからの失点は今季の課題でもあるし、逆にセットプレーで得点を取れるようにしていきたい」と、収穫と課題を語った。そして、厳しいチーム内競争を勝ち抜く覚悟を改めて語ってみせた。

「アウェイ3連戦は負けもあったが、戦い抜けた。最後はホームで、サポーターの皆さんの前で、勝利を届けたいと思う。僕がどのくらい時間をいただけるかはわからないけれど、チャンスをいただける限りは、出来る限りゴールという形で、チームに貢献したいと思う」

 さあ、いよいよ5連戦最後の試合だ。長距離移動が続き、さらに2試合連続で中2日の試合に臨む。幾多もの困難を乗り越えてきた選手たちでも、過密日程のなかでは、身体的な疲労のみならず、精神的にも非常に厳しい戦いを強いられるだろう。どれだけチームが一体となり、力を発揮できるか。これが勝負のカギを握る。

 ただ、我々には心強い味方がいる。背番号12の存在だ。力強い応援が聖地に鳴り響けば、選手たちの闘争心に共鳴する。一人ひとりの熱い気持ちがスタジアムの雰囲気を変え、試合の流れを変える。事実、カシマスタジアムでは試合終了間際に劇的なゴールが何度も決まっている。これは決して偶然ではないだろう。

 繰り返すが、厳しい試合になることは間違いない。だが、選手、監督、コーチ、スタッフ、サポーター、聖地に集う全員が一体となって戦えば、必ず歓喜の瞬間が訪れる。己と仲間を信じて、絶対に勝ち点3を掴み取ろう。

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