PREVIEW

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「現状で一番いいパフォーマンスを示すことができたと思う」

 前節の鳥栖戦を終えて、指揮官は満足感を示した。決定力の部分では課題も指摘していたが、「鳥栖は非常に激しく戦ってくるチームだったが、選手たち個人の能力を表現することができた。連戦の中で非常に大事な勝ち点3」と、選手たちのパフォーマンスを称えていた。チームの勢いや一体感が、より一層大切になる連戦のなかで今後につながる「非常に大事な勝ち点3」を獲得できた。

 そんな鳥栖戦で輝きを放ったのが、トップ下で起用された白崎だった。今季は出場機会の確保に苦しみ、前節までのリーグ戦出場はわずか8試合のみ。ベンチ入りさえ出来ない試合も多かった。本人も相当悔しい思いを味わっていたはずだ。

 ただ、それでも背番号41は地道にトレーニングを続けた。そして、前々節の横浜FC戦で途中出場から存在感を示し、逆転勝利に貢献すると、ついに鳥栖戦で実に14試合ぶりの先発の座を掴み取った。

「うまくいかない時期も長かったけど、チームに貢献したいという気持ちでトレーニングからやってきた。前節から監督にチャンスをもらったので、“本当にここで結果を残さないと”という気持ちがあった」

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 そんな並々ならぬ決意で臨んだ一戦で、白崎は期待に応えてみせた。前半早々にゴール前のこぼれ球に素早く反応して先制ゴールを奪うと、守備でも前線から強度の高いプレスを続け、無失点での勝利に大きく貢献した。雌伏のときを乗り越えて掴んだ歓喜の瞬間は格別だったはずだ。

 ただ、試合後にみせた白崎の表情は引き締まっていた。「いい時間帯に2点目も入ったけれど、本当はもっとチャンスもあったので、もっと早く楽な展開にできたと思う。そこは次の課題として、気を引き締めていきたいーー」。すぐに反省点を語り、次節までの改善を誓った。白崎の言葉からは、熾烈なチーム内競争に身を置いていることが窺えた。

 健全な競争意識は、チームの成長に必要不可欠だ。選手全員が目の前の“勝利”に集中することで、一体感が高まり、勢いが増していく。白崎の活躍はここまで試合にあまり絡めていない選手たちにとっていい刺激になったはずだ。

 さあ、札幌戦で5連戦の3試合目に突入する。2試合連続で出場した選手たちには、少なからず疲労が残っているだろう。チームの総力を合わせて、乗り切らなければいけない。指揮官も「選手たちは一緒にトレーニングをしているし、選手たち全員に私が求めているものを理解して実行できるようにと求めている」と、改めて全員への期待を口にしている。

 激しい競争意識をもつ選手たちに、一切の油断はない。すべては勝利のために。目の前の勝利だけに集中し、どんな時も全員でともに戦おう。

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