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 強い雨が降りしきる中、2点を追う苦しい状況が続く。敗戦濃厚かーー。スタジアムにそんな雰囲気が漂っていてもおかしくはない。

 だが、カシマには選手たちを力強く後押しする拍手が鳴り響いていた。どんな逆境に立たされても、背番号12は決して諦めず、ともに戦い続けてくれた。勝利を求める強い気持ちは、選手たちへ伝わった。

「天気の悪い中、たくさんサポーターの皆さんがスタジアムに来てくれた。サポーターのおかげで選手も頑張れたし、最後まで諦めずに戦うことができた(小泉慶)」

 劇的な逆転ゴールが生まれたあの瞬間、選手とサポーターの心が重なった。諦めずに戦い抜けば、必ず勝機は見出せる。選手が変わろうとも、アントラーズがアントラーズであることを証明できた一戦だった。

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 また、他にも大きな収穫があった。先発から外れ、悔しい思いを味わったベンチメンバーが、試合の流れを変え、勝利に導いたことだ。試合後の会見で、指揮官も「シラがチームに機動力をもたらし、荒木がしっかりとボールキープしたり、マツが入って新たな流れを引き寄せた。あとは亮太。期待しているプレースキックの精度で得点にからみ、2ゴールにからむ仕事ぶりだった」と手放しで称賛していた。途中交代で起用された選手の活躍は、チームに競争力と一体感を生み出していく。今後のチームの成長につながる大きな一勝を掴み取った。

 しかし、前半に多くの課題が見つかったことを忘れてはいけない。指揮官も「相手との距離があったり、間合いを詰めることが連動してできていなかった」と振り返り、改善の必要性を説いた。我々はまだまだ発展途上のチームであり、もっともっと成長していかなければいけない。

 さあ、アウェイ3連戦だ。劇的な逆転勝利を飾った後だからこそ、気を引き締めて試合に臨まなければいけない。そしてアウェイの鳥栖戦は、いつも苦戦を強いられており、昨年も試合終了間際に決勝点を許して敗戦を喫し、アウェイの通算成績でも3勝1分4敗と負け越している。

 ここから再び連勝を続けていくために、勢いをつけていくために、求められるのは勝ち点3のみ。離れていても、アントラーズファミリー全員の気持ちを一つに戦い、必ず勝利を掴み取ろう。

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