PREVIEW

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 前節の湘南戦は苦しい試合展開になったが、いまのアントラーズには勝ち切る力があった。相手の決定的なシュートを若き守護神・沖のビックセーブで凌ぐと、途中出場のアラーノが後半アディショナルタイムに値千金の決勝ゴールを決め、大雨のカシマに歓喜をもたらした。

 試合後、アラーノは「ディフェンス陣や中盤、そしてフォワードを含めた全員が、最初から最後まで戦った結果、僕のゴールに結びついた。僕がたまたま点を決めただけ。“チーム全員“で勝ち取った勝利」と喜びを語った。指揮官も「“チーム全員“で最後にゴールを勝ち取った」と話した。最後の最後まで勝利を諦めず、ひたむきにゴールを狙った結果、“チーム全員“で勝ち点3を掴み取った。シーズン序盤の難局を乗り越えた今のチームには一体感がある。

 ローテーションで起用された選手たちも期待通りのパフォーマンスをみせてくれた。指揮官も「遠藤選手は疲労が出るまでは良かったし、荒木選手もいい状態だった。永木選手も三竿選手が出場停止で代わりに入ったが、問題なくできていた」と活躍を高く評価し、「どの選手が入ってもチームとしてやるべきことが持続できている。個の特長や武器、経験値はそれぞれ違うが、全体としてやるべきことを理解してやれていた。代わりに入った選手がいいパフォーマンスを示せているからこそ、チームの目標である勝利を達成できていると思う」と語った。

 誰が出ても勝つのがアントラーズ。魂のウノゼロを完遂した選手たちからは、底知れぬ強さと成長意欲が感じられた。

 ただ、湘南戦の試合内容を冷静に振り返れば、課題もたくさん見つかった。試合をコントロールできず、ギアを自ら下げてしまったことで、相手にチャンスをつくられた。そして、考え過ぎて、ボールを持ちすぎたことで、相手の守備のスライドを容易にさせてしまった。改善すべき点は少なくない。まだまだ成長を続ける必要がある。

 7連勝はすでに過去のことだ。大分戦も決して簡単な試合にはならないし、苦しい時間帯は必ず訪れるだろう。いま一度、勝利への決意を胸に刻み、難しい試合を戦い抜く覚悟を固める必要がある。

 まだ目指す頂との距離は遠い。ここに止まっている暇はない。シーズン最後に歓喜を分かち合うためには、目の前の1試合に集中し、勝ち続けなくてはいけない。

 すべては勝利のためにーー。どんな時も全員で、チーム一丸でともに戦おう。

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