PREVIEW

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 前節のC大阪戦は上位対決を制して、6連勝を達成した。試合後、指揮官は、改めてこの一勝の価値について語った。

「今日は絶対に勝たなければいけない試合だったし、負ければ勝ち点が広がり、上位との差を詰めることが難しくなってくるという試合だった。その中で、勝利できたことは、非常に重要な意味をもつ。また、両チームともに、いい内容でプレーしていた。これまでのリーグ戦の中でも非常に見ごたえのあった試合だったと感じている」

 ロティーナ監督率いるC大阪は、攻守の切り替えやパススピードがはやく、強度の高いプレーを90分間持続していた。素晴らしいフットボールをみせていたことは間違いない。ただ、その高いレベルの戦いのなかで、アントラーズは今季一貫して取り組んできたフットボールスタイルを貫き、内容と結果、どちらも相手を上回って勝利した。チームにとって本当に大きな自信となる一勝だ。

 ただ、どれほど連勝記録を伸ばそうと、チームに油断や慢心は全くない。シーズン序盤に味わった1つの勝利を掴む難しさを、誰もが身に染みて覚えているからだ。また、チーム内の激しい競争がそれを許さない。先発メンバーは比較的固定されているが、立場が安泰の選手はいない。控えに入った選手、メンバー外になった選手もトレーニングでアピールを続けており、活躍する準備は整っている。チーム内に高い競争意識が芽生えている以上、油断や慢心は決して生まれない。

 最高のチーム状態で、2週間ぶりのホームゲームとなる湘南戦に臨む。超厳戒態勢での運用は続くが、入場者数の制限が緩和される。カシマスタジアムに鳴り響く背番号12の手拍子は迫力を増し、7連勝への大きな後押しとなるはずだ。

 選手全員が多くのアントラーズファミリーとともに戦うことを心待ちにしている。なかでも、レオ シルバは熱い言葉で気持ちを表現してくれた。

「ファン・サポーターがスタンドにいるといないのでは、改めてものすごく大きな違いがあると感じている。特に、試合中に劣勢を強いられている場面では、皆さんの存在感とありがたみを痛感した。どんなに難しい状況でも一緒に戦い、声援を届けてくれるファン・サポーターの存在は、僕らの背中を押してくれる力がある。皆さんの情熱や熱気は、きっと皆さんが思っている以上に僕ら選手の力になっている」

 苦しい時もともに乗り越えてくれたアントラーズファミリーへの感謝の言葉は尽きない。

「序盤戦は苦しい試合が続いたけど、僕らにできることは、勝利やタイトルを手にして皆さんに喜びを届けること。選手やスタッフ全員が新しいアントラーズの戦い方を信じてこれからも取り組んでいく。皆さんも僕らのことを信じて、熱い応援を送り続けてほしい」

 目指すべき頂きとの距離はいまだ離れている。だが、やるべきことは変わらない。目の前の戦いに集中し、一歩、一歩、前進していくだけだ。全員で、全力で、戦い抜いた先には、必ず歓喜の瞬間が待っているはずだ。聖地で必ず勝利を掴もう。

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