PREVIEW

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 前節のアウェイ清水戦は2-1と勝利し、今季初の5連勝を飾った。チームの調子は確実に上向いているように見える。

 ただ、5連勝という数字に惑わされてはいけない。後半は決して満足できる内容ではなかった。新たなフットボールスタイルを継続して成長させるためには、ブレない評価基準を持ち、勝敗だけでなく、内容を判断する必要がある。

 試合後、ザーゴ監督も「私の理想にはまだ程遠い」と試合を振り返った。シーズン序盤と比較すれば、「戦うという部分がピッチで表現できるようになってきた」と評価したものの、「いま勝つことができているのは、チャンスでゴールを決めることができているから」と、極めて冷静に分析している。新たなスタイルはまだまだ発展途上の段階だ。

 指揮官だけではなく、選手たちも現状に満足していない。土居は「失点してから試合終了までの雰囲気はあまり良くないように感じた」と課題を語り、「ロッカーに戻ってきてからも『こんな試合をしていたらダメ』という声もあった」と、試合後に選手間で意見交換を行ったと明かした。互いに改善点を指摘し合い、さらなる向上を目指す。チームには今、いい緊張感がある。

 これから対戦相手もアントラーズに対し、さらに警戒を強めてくるはずだ。相手の対策を上回るペースで成長を続けなければ、勝ち続けることはできない。指揮官も「私が満足することはない。満足することでチームの成長は止まってしまう。プロのアスリートである以上、常に向上心を持ち、さらによくすること、より完璧を目指すことを追求しなければいけない」と語る。

「昨シーズンまでやっていたフットボールとは異なるスタイルを志向している。普通の努力では足りない。より高いレベルの努力が必要になる。そのためにも、選手とスタッフ全員の意思統一が求められるし、規律が大切になる。チームとしての規律を大切にし、新たなフットボールに関する情報を共有しながら、理解度と浸透度を高められるよう、引き続き準備を進めていく」

 選手、監督、コーチ、スタッフ、そして、サポーター。苦しい時期を乗り越えた我々に、一切の油断はない。必ず内容の伴った勝利を掴み取ろう。目の前の試合を一試合、一試合、全力で戦い抜いた先に、歓喜の瞬間が待っている。はまだ遠い。冷静に現状を受け止めた上で、全員でひたむきに努力を続ける。己と仲間を信じ、献身を尽くし、誠実に、互いへの尊重を持って、目の前の1試合を全力で戦い続ける。その先には、必ず歓喜の瞬間が待っている。

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