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 8月最後に待ち受けていた過酷な中2日のアウェイ2連戦。アントラーズはチーム全員の力の結集させ、2試合連続で逆転勝利を飾った。

 柏戦を終えたザーゴ監督は「一人の選手をピックアップするのではなく、チーム全員でつかみ取った勝利」と、全員のパフォーマンスや姿勢を称賛した。そして、「みんなで考えて、やろうとしたことができた。途中で集中力が欠けてしまった場面もあったが、その後、失点しても、みんなで慌てずにプレーできたというところは、非常にいい収穫となった。全員を評価してあげたい」と語った。

 試合に出場した選手だけではない。ベンチに入って声やアドバイスで貢献した選手、練習の雰囲気づくりでチームに貢献した選手も含まれる。一体感の高まったチームの雰囲気が過酷な試合を乗り越える力を生み出したのだ。

 選手たちも成長の手応えを感じている。キャプテンの三竿は「失点しても顔を上げて、点を取る自信があるし、最後まであきらめずに点を取れている自信がある。粘り強くプレーできている」と語った。充実の表情からは、連戦の中で自信を深められたことが伺えた。

 今季からアントラーズが挑戦している新たなフットボールスタイルは、味方との信頼関係はもちろんだが、自らへの『自信』が不可欠だ。指揮官もチームの成長段階について、戦術の「理解」、「実行」、「『成功体験』を積み重ね、『自信』を深めること」と、3つのフェーズがあると語っていた。シーズン序盤から苦しみながら培った「理解」と「実行」のフェーズを経て、このアウェイ2連戦でチームは『成功体験』を積み重ね、『自信』を深めることができた。今後のチームの成長にとっても、非常に大きな2連勝だったといえる。

 しかし、多くの収穫を得た一方で、ビルドアップのミスやセットプレーの守備、決定力不足など、改善すべき点も少なくない。指揮官もいまの現状には満足することなく、「実戦のなかで何ができて、できなかったかという部分を確認し、特にできなかった部分についてはすぐに修正する。これを繰り返しながら、チームの完成度をあげていく」と、さらに上のレベルを目指している。

「私がチームの完成度を差して『100%に達した』と表現することは一生ない。満足することで、チームの成長は止まってしまうし、プロのアスリートである以上、常に向上心を持ち、さらによくすること、より完璧を目指すことを追求しなければいけない」

 選手たちの向上心も極めて高い。若手の台頭により、チーム内の競争は激化しており、メンバー外となった選手たちも、貪欲にトレーニングを続けている。「気温が急激に上昇しているこの時期は、体力が消耗し、普段以上にケガのリスクが高まる。しかし、選手たちは万全の準備を整え、健全な状態で激しい競争を繰り広げている。彼らの姿勢を見て、監督としては非常にうれしく思う」と、選手たちのプロフェッショナルな姿勢を称賛していた。

 チームの一体感は高まり、自信は深まり、競争はさらに激しくなってきた。不安定だったシーズン序盤とは明らかに違う。もう準備は整った。ここから上昇気流に乗り、連勝街道を突き進もう。今季初の公式戦3連勝へ。アウェイでも必ず勝ち点3を掴み取ろう。

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