PREVIEW

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 水曜日のFC東京戦。前半終了間際に不運なオウンゴールで先制を許したアントラーズだったが、後半開始早々にエヴェラウドが同点弾を決めると、アラーノが加入後初ゴールを決めて、逆転に成功した。このままリードを守り切ったアントラーズが、4試合ぶりの勝利を飾った。

 試合後、ザーゴ監督は「状態のいい選手を出場させ、その選手たちがうまく機能してくれた。手ごわい相手に対してメリハリのあるプレーや判断していくことを要求していたが、それを実行してくれた」と、選手たちを称賛した。全員がハードワークし、チーム一丸で掴んだ勝利だ。FC東京の長谷川監督も「球際の部分やセカンドボールの争いでアントラーズに負けてしまっていた。それが結果としてあらわれてしまった」と、アントラーズの選手たちがみせた戦う姿勢を称賛していた。

 数多くの収穫を得る試合となったが、その中でも、ブラジル人選手たちの活躍は際立つものがあった。レオは抜群のフィジカルと豊富な経験を活かした読みの鋭さで中盤を支配し、いまや不動のエースストライカーとなったエヴェラウドは今季のゴール数を8に伸ばした。そして何より、この試合ではアラーノが待望の加入後初ゴールを決めた。

 指揮官もアラーノの活躍に喜びを隠さなかった。「外国籍選手が異国の習慣に慣れるのにはどうしても時間がかかる。その中でも攻撃や守備でチームのために走る部分や強度を保ってプレーするという部分は意識してもらっていた。もともと能力が高い選手。今後、もっと飛躍していってほしい」と、さらなる期待を語った。

 これまでアラーノには、得点やアシストといった“目に見える結果“が、なかなかついてこなかった。それでも我慢強くトレーニングに励み、チームのために献身的にプレーしていた。そして、近くで見ていた仲間も温かくサポートした。その結果、ノーゴールの苦しみを乗り越え、ようやく待望の初ゴールを決めた。背番号7の活躍は周囲のサポートがあってこそ。本人だけでなく、チームにとっても、本当に嬉しい初ゴールだ。

 指揮官は「スタッフ全員がブラジル人特有の明るさを活かして、選手たちと交流している」と、チームの雰囲気を語る。そして、「アントラーズというクラブにおいて、日本人とブラジル人はお互いを知り尽くしているので、いい雰囲気のなかで楽しく明るくフットボールをすることを大切にしている。数多くのブラジル人たちが築き上げてきたすばらしい歴史があるので、それに恥じないように、むしろこれまで以上の成果をあげることを目指して、チームづくりに取り組んでいる」と、クラブの伝統もブラジル人選手の活躍を後押ししていると話した。

「やはりフットボールは明るく楽しくないといけないスポーツ。我々のスタイルとして、フットボールの根本的な部分もピッチで表現していきたい」

 伝統を継承しながら新たなスタイルへ挑戦する。勝利にこだわる姿勢を変えることなく、魅せるフットボールの実現を目指す。決して簡単ではないが、信念を貫いて戦い続ければ、必ず新たなステージへと辿り着けるはずだ。

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