PREVIEW

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「僕にとっても、チームにとってもただの消化試合とは思っていなかった。まずは前の試合からの勢いを止めないということを意識していた。僕にとってアピールするためのチャンスだと思っていた。そこでしっかりと勝ち切ることができてよかった(松村優太)」

 水曜日の清水戦、すでにグループステージ敗退が決定していたアントラーズだったが、誰も消化試合とは捉えていなかった。結果は3-2で逆転勝利。山田が公式戦デビュー、染野、荒木、そして松村の高卒ルーキー3人が揃って得点に絡む活躍をみせるなど、課題以上に多くの収穫を得た一戦となった。

 試合後、指揮官は若手選手の活躍を喜んだ。「若い選手たちで点を取ることができたのは非常によかった」と語り、厳しい連戦を乗り越えるためには「若い選手の力が非常に重要になってくる」と話した。そして、「リーグ戦が続くが、その日程を一部の選手たちだけで乗り越えていくことは不可能だ。状態が良い選手にチャンスを与えること、若い選手にチャンスを与えていくことは、非常に重要になる。彼らに試合の中で成長してもらわなければいけない。若い選手たちを少しずつ成長させていきたい」と、さらなる成長に期待を寄せていた。

 10代の選手たちの活躍にベテランや中堅が奮起しないわけがない。新たな刺激はチームをさらに活性化させるはずだ。ライバルの成長が競争力を高め、士気を上げる。高いレベルで切磋琢磨することで、チームの団結力は増す。『誰が出ても勝つ』。脈々と受け継がれてきた伝統が、いまの選手たちにもたしかに継承されていた。

 ただ、清水戦で手応えを掴んだ選手たちも、これを継続していかなければいけない。これからも連戦は続く。結果の良し悪しに関わらず、試合から試合へとすぐに意識を切り替え、目前の90分に集中することが求められる。ひたむきに勝利を目指して戦い続ければ、目指す場所との距離も自然と縮まっているはずだ。まずは今夜の試合を全力で戦い、勝利を目指そう。

 さあ、相手はヴィッセル神戸だ。今年の元旦、新国立競技場で味わった屈辱は決して忘れることができない。目の前で掲げられる栄冠に胸に抱いた悔しさと不甲斐なさ。あのとき心の底から湧き上がってきた、すべての感情をぶつけるときがきた。

 意地とプライドをかけた90分、求められるのは勝利のみ。今夜も選手、監督、コーチ、スタッフ、サポーター、全てのアントラーズファミリーが一体となり、聖地で必ず勝利を掴み取ろう。

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