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「厳しい環境のアントラーズで勝負することによって、もっと選手としても人間としても、強くなれるはず。自分で決断した分、本当に強い覚悟をもってアントラーズに来た。チームで活躍し、タイトルを獲得して、日本代表に入っていく。ここに来た以上、それは目指さなければいけない」

 プロフットボーラーとして5年目のシーズンを迎えるにあたり、和泉竜司は悩みに悩んだ末、アントラーズへの移籍を決断した。「サッカー選手として自分はどうなりたいのか?」、「どこを目指していくのか?」を考えたとき、厳しい環境に身を置く必要性を感じたという。「環境が選手の成長を促すことは、常に勝利が求められた市立船橋高校や明治大学でも強く感じた。それがわかっているからこそ、もう一度そういう場に身を置くことを求めたところがある」と、高校時代や大学時代の体験も新たな挑戦を後押しした。

 新たなフットボールスタイルへ挑戦するアントラーズにおいて、和泉には中心的な役割を担うことが期待されている。本人も「攻撃面でファン・サポーターの皆さんを魅了しながら試合に勝つのが、一番。選手としてもそれがいいし、そういうフットボールをスタジアムに見に来る方も多い。新たなスタイルへの転換はいいことだと思う」と言う。「個人的にはやりがいがある」と意気込みも十分だ。

和泉は名古屋在籍時、「プロ1年目でJ2に降格し、2年目から新たに監督を迎えてチームのベースから作り直した」という経験を持っている。もちろん同じ条件というわけではないが、「勝利を追い求めながら志向するフットボールを変えていくのは簡単ではない。アントラーズは常に勝たなければいけないし、同時にチームに新たなスタイルも浸透させなければいけない」と、現在の挑戦が高いレベルにあることも認識している。

 それでも、名古屋での時間で気づいたことがある。「最も大事なのは選手の覚悟。監督やコーチ、ファン・サポーターを含めたアントラーズファミリーを代表してピッチに立つのは選手であり、一人ひとり、どれだけ戦えるかが勝敗に直結する」と、揺るがない信念を持つ。

 複数のポジションを高次元でこなす高いフットボールIQの持ち主は、チーム全体を俯瞰で観ることができる能力がある。加入から時間が経ち、「自分のことだけでなく、チームのことに目がいくようになった」という。

「試合に出て、チームの勝利のためにプレーすること。アントラーズでも常にチームの勝利を最優先してプレーしていくつもりです」

 自らの成長を求めて決断した移籍。だが、チームの勝利があってこそ、自らの成長があると心得ている。勝利への強い覚悟と決意を胸に、最高のチームプレーヤー和泉竜司がアントラーズに勝利をもたらす。

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