PREVIEW

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 水曜日のYBCルヴァンカップ グループステージ 第2節、アントラーズはカシマスタジアムで川崎フロンターレと対戦した。前半は互いに一歩も譲らない白熱した展開が続いたが、前半終了間際、川崎Fに先制点を許すと後半開始には立て続けに失点し、瞬く間に3点のビハインドを背負った。その後もなかなか試合の流れを掴めなかったアントラーズだが、試合終了直前に伊藤が意地の2ゴールを決める。だが3点目はものにすることはできず、2-3と敗戦。今大会のグループステージ敗退が決定した。

 しかし敗戦後、カシマスタジアムにはサポーターがおくる拍手が鳴り響いていた。不甲斐ない戦いをみせ、タイトルを失った後に受ける温かい後押し。この意味を感じ取らなくてはいけない。

 キャプテンの三竿健斗は、険しい表情で「こういった観戦状況のなか、声を出してはいけないということで、拍手しかできなかったのはないかと思う。本来なら大きなブーイングを浴びるところ」と言葉を絞り出した。そして、「悔しい気持ちでいっぱいだし、ホームで見せる戦いや姿勢ではなかった。スタジアムに来てくれたファン・サポーターやテレビの前で応援してくれた人に対して、不甲斐なさと情けなさで申し訳ない」と語った。一つのタイトルを失った重みを選手たちも痛いほど感じている。

 だが、落胆する時間は残されていない。中2日という過密日程でサガン鳥栖をホームのカシマスタジムで迎え撃つ。決して簡単に気持ちを切り替えることはできないが、リベンジの機会が早々に訪れたと考えよう。消えることのない悔しさを胸に刻み込み、発奮材料として力に変える。逆境の最中でも、勝利のために前を向き、自信をもって戦う強さが必要だ。

「結果が出ていないときに何をすべきか。それは自分たちが一番分かっている。次の試合でもっと自信を持って、本来出せる力を出していきたい」

 三竿は苦境に立たされたときこそ、胸を張ろうと言った。逆境を跳ね返す力は、チームを結束させ、また強くさせる。信念を曲げてはいけない。アントラーズファミリー全員で勝ち取った一つの勝利が、選手たちに自信を与え、未来への礎になる。悔しさを糧に、前へ進むしかない。

 今夜もカシマで戦える。相手をアントラーズレッドの情熱が凌駕した先に、必ず歓喜の時が待っている。窮地にたったいまこそ、全てのアントラーズファミリーが力を結集し、この難局を乗り越えよう。掴むべきものは一つだけ。全ての思いを勝利への決意に変えて、カシマの夜空に歓喜と誇りを響かせよう。

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