PREVIEW

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 日曜日のFC東京戦、アントラーズは立ち上がりから相手の強度の高いプレスに苦しみ、不安定な試合の入り方をしてしまった。パスミスが多く、流れを掴むことができない。それでも34分、最初の決定機をものにする。中盤のボール奪取からカウンターを発動すると、広瀬のクロスをエヴェラウドがヘディングで決めて、先制に成功した。

 ところが、リードを奪った後も試合はFC東京のペースで進んだ。すると、前半終了間際にセットプレーで立て続けに2失点を喫して逆転を許してしまう。だが、後半に入ると徐々にアントラーズが攻撃の勢いを取り戻す。そして75分、遠藤からのパスを土居が見事なボレーで合わせて、待望の同点弾がうまれた。その後も猛攻を仕掛けたアントラーズだったが、結局、勝ち越し点を奪うまではできず、2-2のスコアで決着した。

 引き分けという結果では満足できない。だが、多くの収穫と課題が見つかる価値ある勝ち点1だった。前半はセットプレーの守備やビルドアップの精度など、修正すべき点が露見したが、後半に入ってからは再現性の高い攻撃を何度も繰り出し、我々の目指すフットボールを一部表現することができた。一歩、一歩、確実に歩みは進めている。信念を貫いていけば、必ず結果はついてくるはずだ。

 試合後、指揮官も確かな手応えを感じていた。セットプレーの守備に関しては「改善していく必要がある」としながらも、チーム全体のパフォーマンスには「目指しているフットボールを構築している最中で、その一部は表現できた。私が目指しているフットボールを、見ている方にも、見続けたいと思ってもらえるようにしていきたい」と、手応えを語った。その言葉つきからは揺るぎない自信と未来への期待が存分に感じられた。

 試合翌日、チームはつかの間のオフを取った。そして心身のコンディション調整を経て、総力戦での準備を進めていく。8月に入ると試合日程は過酷さを増し、大分戦を皮切りに週2試合ペースの連戦が続く。一喜一憂することなく、目の前の勝利を目指して戦わなければいけない。

 7月4日のJリーグ再開から数えると、早くも6試合を消化した。リーグテーブルの下位に身を置く現実と向き合い、目指す場所との距離から目を背けることなく、目前の90分へと向かう。悔しさ、刺激、手応え、反省。全てを糧に、信じる道を突き進まなくてはいけない。アントラーズファミリー全員で歩みを進めるのみだ。

 さあ、8月最初の90分が始まる。ここまでの雪辱を果たすためにも、ここから始まる怒涛の連戦に向けて勢いをつけるためにも、必ず勝利が必要だ。選手、監督、スタッフ、そしてファン・サポーター、すべてのアントラーズファミリーが勝利を渇望している。離れていても思いはひとつ。全員でともに戦い、必ず歓喜を分かち合おう。

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