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 フットボールは素晴らしい。苦しみを乗り越えて、全員で戦い掴んだ勝利は最高だ。

 7月18日土曜日、アントラーズはカシマスタジアムでリーグ戦再開後初の有観客試合を戦った。立ち上がりからアグレッシブな守備を仕掛けたアントラーズは、前半4分にカウンターから今季初先発の上田のゴールで先制に成功する。左サイドハーフで先発起用されたエヴェラウドから上田が決める狙い通りの形での得点だった。その後、同点に追いつかれるも、後半に入ると一気にアントラーズの勢いは増し、58分には先制ゴールを決めた上田が勝ち越し点を奪う。そして、67分にはエヴェラウドが加入後初ゴールとなる追加点を決めた。スリリングな試合展開は最後まで続き、互いに1点ずつを追加して、4-2のスコアでアントラーズが勝利した。

 試合後、指揮官は選手たちの活躍を称えた。「どのチームにも弱点はある。横浜FMの目立った弱点は高いDFラインの後ろのスペースだった。その弱点を突くためにトレーニングをしてきたし、選手たちに映像を見せて説明もしてきた。選手たちが準備してきたことを試合で表現してくれた。思い通りの形を多くつくることができた」。チーム全員が新たなフットボールスタイルを信じ、諦めず取り組み続けてきた結果がようやくスコアに現れた。重圧に負けず、信念を曲げず、掴んだ勝利は大きな価値がある。

 この試合では前節からメンバーを大胆に変更して勝利を収めた。指揮官はメンバーと配置を変更した理由についてこう語る。

「ポジション変更した選手もいたが、私は選手たちにきっかけを与えただけ。流れを変えるという意味でポジションの変更を行った。前節までの選手たちのプレーを否定しているわけではない。今は誰かの評価というより、チームとして勝利が必要だった。今日勝利したということを評価するべきだと思う」

 試合に出場した選手も、出場機会に恵まれなかった選手も、トレーニングでは懸命な努力を続けている。出場機会がない選手も決してプレーが評価されていないわけではない。ここまでは一勝目を掴む、何かのきっかけが必要だった。ここから過密日程を乗り越えるためには、間違いなくチーム全員の力が必要だ。

 苦境に立たされたとき、チームの結束力は強くなり、一つの勝利が自信をもたらす。そして、この価値ある一勝を次に繋げていく必要がある。中3日と厳しい日程でも、試合から試合へ、すぐに意識を切り替え、戦い抜かなければいけない。チーム一丸、ここから選手全員の力を合わせて勝利を掴み取る必要がある

 平日夜のアウェイ湘南戦。離れていてもアントラーズとともに戦い、喜び、悔しさを味わい、困難を乗り越えてくれるファミリーのために、やるべきことは変わらない。この試合でも信念を貫き、勝利のためだけに戦う。

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