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 週末の鳥栖戦は、本当に多くの収穫を得た一戦だった。前半はスコアレスで折り返したが、後半に和泉のゴールで先制すると、エヴェラウドが追加点を決めて、リードを2点に広げる。守っては、公式戦デビュー戦を飾った沖が好セーブを連発し、2-0と今季初の完封勝利に導いた。

 会心の勝利を飾った試合後、和泉は「アントラーズに来て、初ゴール。ホッとしている部分もある」と安堵の笑顔をみせた。だが、すぐに「ここからが勝負。チームとしても今の順位にいてはいけない」と表情を引き締めた。そして、「得点もそうだし、スタメンだろうが途中出場だろうが、全員がチームのためにやり続けることが大事。誰も満足していないし、ここから先が大事だと思う」と、改めて全員で戦う姿勢を強調していた。

 この試合で活躍したのは、主役となった和泉、エヴェラウド、沖の3人だけではない。今季初先発した小泉は右サイドで鳥栖の攻撃のキーマン小屋松を完璧に抑え、途中出場した荒木、染野も今後につながるプレーで得点を演出した。連戦のなか、出場を続けている選手たちも疲労に負けず、粘り強く、最後まで勝利のために献身的に戦った。選手全員が思いを一つに戦い、みんなで掴んだ勝利だ。

 鳥栖戦から中3日、チームは休む間もなくルヴァンカップ清水戦へ臨む。すでにグループステージ敗退は決定しているが、未勝利で大会を終えることは許されない。意地とプライドにかけて、絶対に勝利が必要な試合だ。

 清水戦では、これまで出場機会が限られていた選手たちの奮起が期待される。ここまでメンバーを比較的入れ替えずに戦ってきたが、過密日程の影響で少なからず選手たちに疲労が蓄積されている。鳥栖戦の先発からメンバーを変えずに臨むことはできない。チャンスを与えられた選手たちがチーム戦術のなかで、どれだけ自らの特長を発揮し、違いを生み出せるか。今後を全員で戦っていくためにも、非常に重要な一戦だ。

「誰が出たとしても勝つのが、アントラーズ。試合に出ている選手だけではなく、ベンチに入っていないメンバーも、常にきちんと練習をしていれば、絶対にチャンスは来る。そういう姿勢や結果を(昨年の)清水戦では示すことが出来た(遠藤康)」

 昨年のアウェイ清水戦(明治安田J1第25節)では、リーグ戦で久々の出場機会となった遠藤が活躍し、チームに勢いをもたらした。ベンチを温めていたメンバーが活躍することで、競争力が高まり、さらなる一体感が生まれる。勝利を貪欲に狙う姿勢を全員が表現することで、チームは必ず勢いづく。

 どんな試合でも、誰が出ても、勝つ。いまのメンバーで、不変の“アントラーズらしさ“を証明しよう。求められるのは勝利のみ。総力戦で戦う90分が始まる。

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