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「立ち上がりに自分たちのミスから失点して追いかける展開となってしまった。それでも、選手たちが前向きにこれまで取り組んできたことを体現してくれた。逆転できたということを褒めてあげたいと思う」

 8月1日土曜日、アウェイの昭和電工ドーム大分で大分トリニータと戦った。アントラーズは前々節のFC東京戦と同様、不安定な試合の入り方をしてしまい、キックオフからわずか5分で大分の高澤にミドルシュートを決められ、先制点を奪われてしまった。それでも、15分に相手のミスを見逃さず、エヴェラウドが同点ゴールを決めると、40分には和泉が獲得したPKを再びエヴェラウドが決めて、前半のうちに逆転に成功する。そして後半に入ると、アントラーズはさらに勢いづき、55分にエヴェラウドがこの日3点目となる追加点を奪うと、後半アディショナルタイムには伊藤が今季初ゴールとなるダメ押しの4点目を決めた。立ち上がりこそ不安定だったものの、終わってみれば4-1で快勝し、今季アウェイ初勝利を収めた。

 試合後、指揮官は「自分たちが求めているフットボールを選手たちがうまく体現してくれた」と選手たちを称えた。そして、「1週間通してやってきたことを選手たちがしっかりと体現してくれた。それができる技術とインテリジェンスがあるということは分かっているので、それを選手たちに要求し続けてきた。今日はスペースがない中、プレーをするということが分かっていた。選手たちが落ち着いて、やって欲しいことを表現してくれたと思っている」と、改めて選手たちの成長に手応えを感じ取っている様子だった。

 シーズン開幕から思うような結果が出ず、ここまで非常に苦しい日々を過ごした。だが、選手たちは、日を追うごとに増すプレッシャーと戦いながら、進むべき道を信じ、ブレずに、諦めずに、我慢強く努力を続けてくれた。そして、ようやくそれが実を結びつつある。

 試合日程は過酷さを増していく。明治安田J1第8節 大分戦から中3日で川崎F戦、そして、今週末には明治安田J1第9節 鳥栖戦が控えている。ここまで比較的メンバーを変えずに試合に臨んできたが、夏場の暑さと戦いながら、1週間に2試合のペースで連戦が続けば、疲労の蓄積は避けられない。ここから選手全員の総力が試される勝負の連戦となる。

 幾多もの困難を乗り越えてきた選手たちと言えども、過密日程のなかで迎える試合は、非常に厳しい戦いを強いられる。特に、試合終盤はピッチに立つ全員が極限に近く、技術や戦術、論理を超越した戦いが繰り広げられる。試合終了を告げるホイッスルが鳴るまで、どれだけチームが一体となり、力を発揮できるか。これが勝負の分かれ目となる。

 そんな過酷なピッチ上において、チームを助けられる存在がいる。それがアントラーズファミリーだ。苦境に立たされたとき、心強い拍手が選手たちの後押しとなる。熱い気持ちが込められた拍手は、選手たちの気持ちと試合を動かす。超厳戒態勢の5,000人収容制限下においても、十分に気持ちが伝わることは横浜FM戦、FC東京戦の奮闘で証明済みだ。ともに戦う背番号12の存在は、大きなアドバンテージとなるだろう。

 どんな困難も乗り越えるのがアントラーズ。誰が出場したとしても勝つのがアントラーズ。選手、監督、コーチ、スタッフ、ファン・サポーター、すべてのアントラーズファミリーが一丸となって戦い、勝利を掴めれば、必ず勢いづくはずだ。まずは目の前の試合を全力で戦い、みんなで勝利を掴もう。

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