PREVIEW

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「ホームで取り返すしかないです。次、勝ちます」

「これで終わったわけではないです。次がまだあります」

 選手たちは悔しさを滲ませながらも、前を向いた。第2戦が勝負だ。ミックスゾーンで話す選手たちの表情からは、強い覚悟と決勝進出への固い決意が感じられた。

 10月9日のYBCルヴァンカップ準決勝第1戦、前半10分にカウンターから白崎がゴールを決めて、幸先よく先制に成功したアントラーズだったが、27分に同点に追いつかれると、試合終盤の82分に逆転を許し、さらに、85分にはコーナーキックから追加点を決められてしまった。明治安田J1第21節湘南戦以来、約3ヶ月ぶりの敗戦だ。少なからずショックは残る。

 しかし、ルヴァンカップの準決勝は2戦合計スコアで決まる。決着はまだついていない。非常に厳しい状況に追い込まれたことは紛れもない事実だが、決勝進出の可能性は残されている。第1戦で味わった屈辱をすぐに晴らす舞台が用意されているのだ。第1戦の借りは、必ず第2戦で返す。

 キャプテンの内田篤人は、第2戦について「厳しいけれど、2-0なら良いわけで、先に得点をとれば、全然わからなくなる」と話した。つづけて、「だから全然、諦めるつもりもない。これで、じゃあルヴァンは捨てて、他の大会という風にはならない」と、語気を強めて語った。そして、試合後のロッカールームで仲間と交わした会話も明かしてくれた。

「試合後にも、『まだ前半が終わっただけ』という話をみんなとしました」

 そう、まだ前半が終わっただけだ。我々はタイトルを諦めていない。苦境に立たされたときでも、自信をもって戦える。なぜなら、数々の逆転劇を生み出してきたカシマスタジアムが第2戦の舞台だからだ。

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 カシマスタジアムにはアントラーズファミリーが創り上げる特別な空気感がある。サッカー専用スタジアムだからこそ、サポーターからの声援が選手に伝わり、力を授ける。相手選手は萎縮し、アントラーズの選手は勢いづく。圧倒的なホームアドバンテージは、他のクラブにはない鹿島アントラーズだけのものだ。血湧き肉躍る、理屈では到底説明できないものが、カシマには存在する。

 だから、選手、監督、コーチをはじめ、全員が第2戦で逆転勝利できると固く信じている。我々には最後の最後まで勝利を信じて戦い抜く覚悟がある。非常に厳しい条件で第2戦を迎えることは、誰もが理解しているが、アントラーズファミリーとともに戦えば、どんな困難も乗り越えられると信じている。これまでの戦いを振り返ればわかるだろう。シーズン序盤に勝利から見放されたときも、怪我で大切な仲間が離脱したときも、諦めず、前を向き、強い勝利への覚悟をもって、一戦、一戦、目の前の試合をともに全力で戦い抜いてきた。アントラーズファミリーのもてる力を結集すれば、どんな困難さえも乗り越えられる。我々がこれまで積み上げてきたものを証明し、逆転するだけだ。

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アントラーズファミリーの一体感を、心からの団結を、勝利への希求を、聖地カシマで示そう。歓喜の瞬間が訪れることを信じて、全てを懸けて勝利を目指す。

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