4日前の明治安田J1第15節C大阪戦。アントラーズは聖地で苦戦を強いられた。前半、相手の左サイドを中心とした攻撃を抑えきれず、主導権を握られる展開となる。ピッチ上で解決策を見出すことはできなかったが、守護神を中心にしっかりと我慢して戦い抜き、スコアレスで試合を折り返した。
ハーフタイムに入ると、指揮官が選手たちへ改善点を明確に伝える。トランジションのスピード、セットプレー、リスクマネジメントの徹底、守備のスタートポジション、スイッチの入れどころ。ピッチ上で見えなかった課題をクリアにした。
後半、再びピッチへ戻った選手たちは、指揮官の指示通り、トランジションを早め、攻守におけるポジショニングを改善した。時間の経過とともに、C大阪を圧倒していく。すると、 50分にセルジーニョがPKを決めて待望の先制、72分には白崎の強烈なミドルシュートで追加点を奪取。後半に見事な修正力を発揮したチームは、価値ある勝利を掴み取った。
指揮官は試合を振り返り、「後半は修正して、選手たちはよくやってくれた。価値のある勝ち点3だと思う 」と、後半の戦いぶりを評価した。
選手たちも手応えを感じている。中盤で存在感を放った三竿健斗は「ハーフタイムで守備のところを修正して、後半は押し込んだり、いい形で守備はできていた。みんなで我慢していこうという意思疎通ができていたところはよかったと思う」と話した。公式戦3試合ぶりに右サイドバックで出場した永木も「後半は少し低い位置から守備をしようと話して、それがうまくハマった形になった」と修正出来た点をポジティブに捉えている。
これでリーグ戦の順位は3位まで浮上。ホームではリーグ戦6連勝だ。変革期の1年目としては、満足できる成績と言えるだろう。試合を重ねるごとに戦術の練度は高まっており、チームはシーズンの経過とともに自信を深めている。
さあ、準備は整った。2年連続のアジア王者に向けて、いよいよ、ACLノックアウトステージが始まる。
ACLグループステージの戦いを振り返ると、簡単な試合は一戦たりともなかった。全6試合で失点を喫し、劇的な逆転勝利が2試合。第4節、第5節では2連敗を喫した。だが、いまとなっては内容は関係ない。厳しい日程の中で、グループステージ突破できたこと、それが一番の収穫だ。
広島戦も中3日と限られた準備期間で迎えるが、「日程に関しては、広島も同じ条件でやっている。しっかりとしたリカバリーをして、準備をしたいと思う。ACLでは2試合を180分のゲームとして、昨年の経験を踏まえてしっかりフォーカスして向かっていきたい」と指揮官は自信をのぞかせている。
日本勢初のACL2連覇を達成するため、まずは国内のライバルを凌駕しよう。聖地で必ずや勝利を。歓喜の瞬間を分かち合おう。