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 9月18日、ACL準々決勝敗退が決まり、アジア連覇、全冠達成の夢が潰えた。我々は失意に暮れた。ここまで苦しい時も常に一体となって、チーム一丸で苦難を乗り越えてきたが、あと1点が、わずか1点が足りなかった。懸ける思いは強かった。だからショックも大きかった。試合に出場したメンバーも、出場できなかったメンバーも、悔しさに言葉を詰まらせた。

 失ったタイトルを取り戻すチャンスはない。分かっていても、心の切り替えは難しい。だが、次の戦いには、前を向いて、胸を張って、戦わなければならない。逆境から立ち上がる姿を、サポーターに見せなければいけない。己を奮い立たせて、目の前の試合に集中し、戦うしかない。各々が新たな決意と覚悟をもって、次戦までの準備期間を過ごした。

 そして、迎えた天皇杯ラウンド16。選手たちは強さをみせた。ともに戦ってくれるアントラーズファミリーの前で、胸を張り、前を向いて、戦い抜いた。メンバーを変えながらチーム一体となって戦い、4-1と会心の勝利を収めた。

 指揮官はこの難しい1週間を振り返り、こう語った。

「ACLを敗退してから、今日の試合の重要性、立ち上がる姿勢をしっかりと見せよう、という話を、この1週間ずっとしてきました。今日の試合が、今後の戦いに影響していくということは、選手たちもしっかりと認識していたと思います。勝利することが出来たのは、サポーターの皆さんの力でもありますし、選手たちが前を向いて、立ち上がった姿を表現出来たからだと感じています」

 キャプテンマークを腕に巻き、チームを牽引した永木亮太は、心情の変化をこう明かしてくれた。

「ACLを敗退してしまい、みんな相当悔しい気持ちだったと思います。敗退してしまった責任も感じています。その気持ちを前向きにするためには、残りの3タイトルすべて獲るという気持ちでやっていくしかないです。2日間のオフでしっかりと気持ちを切り替えて、この試合に向けて準備をしてきました。(だからこそ)今日の試合は負けられなかった。特にスタメンで出場した11人は責任をもってやれたと思います」

 チームの一体感は増している。我々は敗戦を乗り越え、また強くなった。

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 明治安田J1第27節は天皇杯ラウンド16から中2日と厳しいスケジュールで臨む。一方、対戦相手の札幌はすでに天皇杯で敗退しているため、明治安田J1第26節から中13日でのゲームだ。日程的には不利な状況だが、国内タイトル奪還の目指す我々には、どんな言い訳も許されない。

「我々はたくさんのコンペティションを戦っていかなければいけない。それぞれのコンディションやチームとしてのやるべきことを含めて、質やレベルを上げていくことが、今後必要になってくる」

 コンペティションが限定され、一つの大会に注力する相手も、上回っていく。我々の決意は固い。

「選手全員で、今後も戦う姿勢を見せていきたい」

 まさに総力戦だ。チームが一体となり、目の前の試合に集中し、勝ち抜く。勝利を積み重ねた先には、必ず栄光の瞬間が待っている。

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