PREVIEW

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 水曜日、天皇杯2回戦。石川県代表の北陸大学と対戦したアントラーズは、フィールドプレーヤー全員が25歳以下という若手選手中心のメンバーで試合に臨んだ。前半4分、セルジーニョが幸先よく先制点を奪うと、10分には山口が追加点を奪取、さらに14分には、金森がゴールを決めた。試合開始15分も経たないうちにリードを3点に広げる理想的な展開となったが、その後は攻撃の勢いが失速。後半に入ると、試合の主導権は完全に相手へと移り、71分には一瞬の隙を突かれて失点する。結果は3-1と勝利し、天皇杯3回戦進出を決めたが、到底満足できる内容ではなかった。

 指揮官は試合後のロッカールームで選手たちに厳しい口調で問いかけた。このままでいいのか。サポーターが求めていることは何かーー。

「観に来てくれたサポーターの皆さんに申し訳ない。情けない試合をしてしまいました。北陸大学の姿勢は、我々に足りないものでした。もう一度、選手たちとACLやJリーグという高いレベルで戦っていくことを再確認しました。本当に申し訳ない。次のJリーグではしっかりした姿勢を見せたいです」

 苛酷な勝負の世界では年齢を言い訳には出来ない。鹿のエンブレムを纏う限り、自らの役割を果たし、逆境を跳ね返す責務がある。ときには理不尽な批判も受けるだろうが、それも今後の糧として力に変えなくてはいけない。

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 アウェイで敗戦を喫したACLラウンド16第2戦、終了間際の失点で勝ち切れなかった明治安田J1第17節、そして、後半に失速した天皇杯2回戦。3試合連続で悔しさを味わったが、その間もサポーターは常に大きな声援で選手たちを鼓舞してくれた。次こそ、大勢のアントラーズファミリーの想いに応える会心の勝利をーー。

 天皇杯から再び中2日で迎える明治安田J1第18節。相手はリーグ最下位に沈む磐田だが、非常に難しい戦いになることは間違いない。磐田は第17節川崎F戦の試合後に、就任6年目と長期政権を築いていた名波浩監督が辞任。今週から鈴木秀人新監督のもと新たなスタートを切った。非常に高いモチベーションでカシマスタジアムに乗り込んでくるはずだ。

 ともに歴史を築いてきた特別なライバルと互いに気持ちを高めた状態で激突する。意地とプライドをかけた激しい戦いになるだろう。いま置かれている状況を考えれば、勝利以外は敗戦に等しい。鹿のエンブレムを纏う誇りにかけて、闘志を燦然と燃やし、アントラーズレッドの情熱でサックスブルーを凌駕しよう。今夜も聖地に詰めかけるアントラーズファミリーとともに。勝利のみを目指して戦う。

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