PREVIEW

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 ACLラウンド16第1戦。ホームに広島を迎えたアントラーズは、前半24分にセルジーニョが決めた先制ゴールを最後まで守りきり、1-0で勝利を収めた。 アウェイゴールをゼロに抑えての勝利は、第2戦に向けて大きなアドバンテージとなった。

 そして、1週間後に迎えたACLラウンド16第2戦。アウェイに乗り込んだアントラーズは、前半33分に幸先よく土居が先制点を奪う。勝負は決まったかに思えたが、後半に入ると、66分、72分に失点を許してしまう。それでも、89分に再び土居が貴重なアウェイゴールを奪ってリードを広げ、試合終了間際の後半アディショナルタイムにPKを献上して失点を喫したが、2戦合計スコア3-3、アウェイゴールの差でアントラーズのACL準々決勝進出が決定した。

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 殊勲のアウェイゴールを2つ決めた土居聖真は、「どちらのゴールも、押し込まれている中で決めることができたので、それが大きかったと思う。自分のゴールでチームを助けることができてよかった」と得点場面を振り返った。そして、「これがACLだと思う。ここで勝ち上がれたのは自信になる。去年もこういう戦いをしてきたので、今日も活きた。これからも経験を活かしていく」と、これまでの経験を糧にして、厳しい戦いを乗り越えていくことを誓っていた。

 また、指揮官は戦いを終えた後すぐに、「次のラウンドに進めるということが、今日の一番評価できるところ。試合の中で様々なアクシデントがあった。色々な見方があると思う。しっかりと改善すべきところを洗い出して、次のJリーグ、ACL準々決勝に向けて切り替えていきたい」と、中4日で迎える広島3連戦の最終戦へと意識を切り替えていた。

 ACL準々決勝は8月下旬。それまでは、国内タイトル奪還を目指す戦いがつづく。すぐに意識を国内の戦いへと切り替え、広島戦からリスタートを切らなくてはいけない。

 だが、「結果だけ見ると1勝1敗。次のホームでしっかり勝ちたい」と三竿健斗が語っていたとおり、広島との決着もついていない。相手はACLの雪辱を果たすべく、強い気持ちをもってカシマスタジアムへ乗り込んでくるだろう。アントラーズは広島を上回る気迫をホームで見せなければいけない。

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 今季のアントラーズは、ホームで公式戦10試合で8勝2敗、リーグ戦に限ってみればホームで6連勝中と絶対的な強さを誇っている。その6試合全てで先発している犬飼智也は、「今はサポーターの力もあって、結果としてホームで6連勝できている。みんなの声援が心強い。ホームで勝つのは気持ちがいいし、絶対に勝たなければいけないとみんなが思っている。それが結果にも表れていると思う。サポーターは今まで通り、たくさんの熱い声援を送ってくれると思う。あとは、自分たちがやるだけ」と話す。犬飼だけではない。多くの選手が「ホームで負ける気がしない」と口々に語っている。

 聖地に集い、ともに戦う背番号12の情熱が、確実に勝敗へ影響を与えているのだろう。血湧き肉躍る、というのか。理屈では説明できないかもしれない。だが、フットボールには理屈を情熱が凌駕する場面が訪れる。アントラーズファミリーの情熱に包まれた選手たちは、圧倒的な心理的アドバンテージを得て、眩い輝きを放つ。カシマスタジアムは特別な場所なのだ。

 さあ、真価を見せるときがきた。広島は相当な覚悟をもってカシマスタジアムに乗り込んでくるだろう。アントラーズの意地とプライドにかけて、聖地では絶対に勝利しなくてはいけない一戦だ。我々がスタジアムで力強い声援を送れば、必ず選手たちは応えてくれるーー。ならば、我々も最高の声援で選手の気持ちに応えよう。歓喜の瞬間に向けて、アントラーズファミリー全員で、ともに戦おう。

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