PREVIEW

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 5月12日、明治安田J1第11節ヴィッセル神戸戦。立ち上がりから積極果敢な攻撃で神戸を圧倒し、18分にセルジーニョの芸術的なゴールで幸先良く先制に成功した。その後、再三チャンスをつくりながらも、追加点を奪えない展開が続いたが、最後まで主導権を明け渡すことなく、攻勢のまま試合を終えた。スコアは1-0。ACLジョホール戦の悔しさを払拭する完封勝利を収めた。

「非常に厳しい日程のなかで、今日は選手がやるべきことをやって、勝利に値するゲームだった」

 指揮官は激闘を戦い抜いた選手たちを労った。その一方、さらなる高みを目指すために、改善の必要性も選手へ伝えた。

「ピッチの中で、ピッチ状態であったり、相手のポジショニングだったり、そのような状況判断がもう少し早く正確にできれば、違う展開になったはず。そこが次の試合の改善ポイントになる」

 神戸戦はACLジョホール戦の悔しさを晴らす会心の勝利だった。だが、鹿島アントラーズは、1試合の勝利で満足出来るクラブではない。修正すべき点を改善し、次なる戦いに備えなければならない。常勝を義務付けられた特別なクラブなのだ。

 特にここ最近は、勝利と敗北を繰り返す不安定な戦いが続いている。FC東京戦の屈辱的な敗北から立ち直り、仙台戦で完封勝利を収めたものの、慶南戦、横浜FM戦でまさかの2連敗。そして、気持ちを切り替えて臨んだ清水戦で、待望の勝ち点3をつかんだのも束の間、ジョホール戦で痛恨の敗北を喫した。神戸戦で勝利し、再び浮上のきっかけは掴んだが、一刻も早くこの状況から抜け出さなくてはならない。

 首位FC東京との勝ち点差は7。これ以上、勝ち点を失うわけにはいかない。国内タイトル奪還を目指すためには、神戸戦を転機として勝ち続ける必要がある。そのためにも、ホーム松本戦は非常に重要な一戦だ。

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 今季のアントラーズはホームゲームで圧倒的な強さを誇っている。公式戦8試合で6勝2敗。聖地に集い、ともに戦う背番号12の情熱は、間違いなく勝敗へ影響を与えている。

 これはオカルトでも迷信でもない。アントラーズファミリーの情熱に包まれたカシマスタジアムは、アントラーズの選手たちに圧倒的な心理的アドバンテージを与え、勝利へと導いている。フットボールはメンタルが重要なスポーツ。燃え滾った情熱は勝敗をも左右するのだ。

 松本戦は今後のシーズンに大きな影響を与える試合になるだろう。清水戦のように、アントラーズファミリーが一丸となって戦えば、たとえ苦しい試合になっても、必ず勝利を掴めるはずだ。ここからチームを浮上させ、国内タイトル奪還に導こう。聖地に歓喜の歌声が響き渡る光景だけを思い描き、アントラーズファミリー全員でともに戦い抜こう。

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