「勝ち点3を取っただけの試合だった」
ACLグループステージ第1節、ジョホール・ダルル・タクジム戦の試合後、指揮官は悔しさを滲ませながら言葉を紡いだ。最低限の目標、勝ち点3の獲得には成功したが、決して満足出来る内容ではなかった。
「国際試合では何が起こるかわからない。リードしていてもプレーの選択やゲームのコントロールで隙を見せてはいけない、そう感じさせられた90分だった」
これで今季公式戦全4試合で失点。大分戦で浮き彫りになったリスクマネジメントとゲームコントロールの課題がまたしても露呈してしまった。
たしかに、この日は平戸、山口、名古、金森が今季初の公式戦先発を飾るなど、メンバーを大きく入れ替えて臨んだ一戦だった。そして、川崎F戦から中3日という厳しい日程だった。しかし、それでも試合終盤まで戦い抜く強さを見せなければいけない。チーム全員の総合力を上げなければ、年間60試合近くもの激闘を乗り切ることは出来ない。
ここまで公式戦全試合で先発フル出場を続けている安西幸輝は「大差で勝たなければいけない試合だった。この相手に対して納得のいかない試合」と振り返った。犬飼智也も「簡単なミスはしてはいけないと思うし、失点に繋がらなくてもチームの流れが悪くなってしまうので、改善していかなければならない」と猛省した。
守護神のクォン スンテは「これからもっと上を目指していかなければいけないチームとして、ファン・サポーターの前で残念な試合をしてしまったと思う 」と応援してくれたサポーターへ神妙な口調で言葉を紡いだ。
出場した選手たちは責任を強く感じている。だからこそ、指揮官は激闘を終えた直後のロッカールームで選手たちに伝えた。
「次の試合にしっかり気持ちを切り替えよう」
9日間で3試合。限られた時間で最善の準備をしなければならない。試合から試合へ。次なる戦いはすぐにやってくる。
「スタジアムに来てくれたサポーターに、もっといいサッカーを見せたかった。出場した選手たちはしっかり戦ってくれた。これを次の試合に生かしていきたい 」
変革期を迎えたチームはまだまだ成長過程。今後も苦しい試合展開が多くなることが予想されるが、一戦一戦、勝利のみを目指して戦い続けるしかない。戦い抜いた先に、国内タイトル奪還が見えてくるはずだ。
全ては、聖地で勝利を掴むために。アントラーズファミリーが一丸となり、ともに戦おう。