磐田戦の注目プレーヤーは、小笠原満男!
「自分で限界を決めるな」
チーム最年長の37歳。だが、ピッチ上では周囲とは一段違う激しさを見せ、相手を圧倒する。「走るのには、苦手」といいながら、その運動量もチームトップクラス。偉大なるキャプテンの存在感は、決して色褪せることがない。
「永木、三竿も加入してきて、自分がずっと出場できる保証がない。でも選手たるもの、先発で出て90分やりたい。それも毎試合。プロならみんな、当たり前に思っていることでしょう」。ここ数年、世代交代がチームのテーマとなりながら、同期の曽ケ端とともにそのポジションを譲ることはない。「ポジションは与えられるものじゃない。奪うもの。特にアントラーズは昔からそうやってきたわけだから」といって、アドバイス役に回る気もさらさらない。「同じ選手として、ああだこうだ言うのはチームメートに対して失礼だと思うしね。年上として、態度の部分とかは言うこともあるけど、プレー自体に関してはみんなプロなんだから」。口ではなく、プレーでアントラーズの伝統を伝えていく姿勢は昔も今も変わらず。最終ラインから背番号40の背中を見つめる昌子源は言う。「満男さんのように、プレーで周りを引っ張ることのできる存在になりたい。いや、ならないといけない」。その教えは確実に後輩へと伝わっている。
「今こそ、俺ら選手たちで何とかしなきゃいけない。監督、コーチ、スタッフの責任にしてはいけない」。アウェイ横浜FM戦を前にして、小笠原の檄が飛んだ。石井監督が体調不良で不在の中、揺らぐチームを1つにまとめる言葉。誰よりも寡黙なキャプテンがその口を開く時、誰より強い意思の言葉がロッカールームに響き渡る。
チーム最年長の37歳。だが、ピッチ上では周囲とは一段違う激しさを見せ、相手を圧倒する。「走るのには、苦手」といいながら、その運動量もチームトップクラス。偉大なるキャプテンの存在感は、決して色褪せることがない。






しかし、その横浜FM戦はドローに終わった。そして前節は出場するチャンスもなく、チームが柏に0-2と為す術なく完敗を喫するのを目の当たりにした。「自他とも認める負けず嫌い」という男の心情は、いかばかり。この磐田戦では、その怒れる闘将がピッチに立つのか。その瞬間を、今は静かに待とう。
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