PREVIEW
リーグ第6節広島戦は、知念のゴールで先制に成功するも、試合終了まで残りわずかの時間帯で2失点し、逆転負けを喫した。あっという間の出来事に誰もが言葉を失った。
これを決して繰り返してはいけない。選手たちが一番それをよく理解している。ゴールを決めた知念が「ゴールしたあとにイージーなパスミスをしてしまったことを後悔している。プレーの細部にまでこだわっていかないと勝てないことを思い知らされた」と語れば、アシストした樋口も「ホームでの川崎F戦と同じような展開での負け方をしてしまい、今は言葉が見つからない。次戦に向け、最後までやり抜くことを徹底していきたい」と話した。皆が次戦までの改善を心に誓い、翌日からトレーニングを再開した。
この敗戦により、これまで取り組んできたことのすべてが否定されるわけではない。失点を喫するまでは、非常にポジティブな内容で試合を進めることができていた。課題から目を背けずに向き合い、我慢強くトレーニングしてきた成果が、確実にピッチ上で現れている。スコアだけを見て、継続的な積み上げを無下にすれば、いつまで経っても、優勝チームとの差は埋まらない。反省すべき点を反省し、収穫はしっかりと自信に変えて、次に進む必要がある。
ただ、どんな状況であろうと、アントラーズレッドのユニフォームを纏う以上、勝利が求められることに変わりはない。その誇り高き精神に支えられ、これまで数々のタイトルを獲得してきた。現在のチームがまだ発展途上だとしても、求められる基準を下げることは、決してあってはならない。まずは次のYBCルヴァンカップグループステージ第3節 福岡戦。アントラーズの名を背負う矜持と覚悟を示し、勝ち点3をつかみ取る必要がある。
若い選手が多く在籍する今のチームにとって、重圧がかかる一戦になる。ただ、平日のナイトゲームに詰めかけてくれる大勢のアントラーズファミリーが、選手たちを勇気づけ、力強く後押ししてくれるはずだ。
すべてを乗り越えた先で、歓喜を分かち合えると信じて、どんなときも心ひとつに。アントラーズレッドの誇りを胸に、最後の最後まで一丸となってともに戦おう。