PREVIEW

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 前節、アントラーズは浦和をカシマスタジアムに迎え、リーグ第31節を戦った。結果は、スコアレスドロー。互いの意地とプライドがぶつかり合う好ゲームではあったが、ホームで1点すら奪うこともできず、勝ち点1で終わったことはスタジアムをアントラーズレッドで染めつくしてくれたファン・サポーターにも大きな失望を与えた。

 試合後、最終ラインで浦和の攻撃を防ぎ続けた植田は「何が何でも勝たなければならない試合だった。堅い試合になってしまったことには少し悔いが残る」と振り返った。たしかに、大事に戦うことばかりが先に行って、勇気をもって臨機応援に戦うことができなかったのが、浦和戦だったかもしれない。

 その後、チームオフを経て、選手たちは再びクラブハウスでトレーニングという日常に戻った。残すは、リーグ戦3試合。ここまで「できるだけ上(の順位)へ行くために」という声が多く聞こえたが、その言葉は心の奥底にとどめたかのように、ただひたむきにボールを蹴る姿が目立った。

 チームの雰囲気も上々だ。いい緊張感を保ちつつ、そこかしこで明るい笑顔が見られる。そのひとりでもある松村は「今、体が軽く感じる」と言う。「この調子を保ち、試合でもいいプレーをしていきたい」。そう、選手たちは常にベストのプレーをするため、最善を尽くしている。

 「ファン・サポーターの皆さんが毎試合、一緒に戦ってくれているなかで、その声援に結果で応えなければいけない」。植田が力強く語ったように、選手たちはまたカシマで12番目の仲間たちと戦えることを心待ちにしている。ただただ、目の前の相手に向かい、真摯にフットボールへすべてを捧げる。明日も、ともに戦おう。

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