PREVIEW
今から20日ほど前、アントラーズはアウェイ博多の地でスコアレスドローに終わった。どちらも勝ち点3を目指しただけにまさに「痛み分け」という表現が当てはまる試合ではあったが、福岡と比べて我々により大きなダメージを残したと言わざるを得ない結果だった。
あれからリーグ戦が中断となり、選手たちは公式戦のない中、日々のトレーニングに集中した。そして10月も中旬を過ぎ、リーグ戦がまた再開する。その再開初戦の相手は、神戸。現在、リーグ首位をひた走る強敵だ。
この3週間の間、選手たちは自分たちに足りないものを埋めるべく、声を掛け合いながら日々の鍛錬に努めた。トレーニング中は優磨や広瀬らがチームを盛り上げ、強度も高くいい雰囲気でここまで来た。公式戦が3週間ないということで、各々が調整の難しさ、そして気持ちの高め方に難しかった部分はあっただろう。それでも樋口が「僕らはチャレンジャー」と言うように、現在の自分たちの立ち位置を受け入れつつ、上を目指していくというひたむきがチームにはあった。
中断期間の間に行われたトレーニングマッチ2試合でも、そのパフォーマンスは評価できるものであり、ここまで粉骨砕身の働きを見せる安西も「自分のコンディションも上がってきている。まだやれる。自分たちの目標を達成するためには、もっと高いレベルを目指していかなければいけない」と、あくなき探求心を示した。再開初戦の相手が首位の神戸ということで、選手たちもプラスアルファのモチベーションを得ているようだ。
そしてその戦いの舞台は、国立競技場。アウェイゲームではありながら、この国立で戦えることは「すごくポジティブに捉えている」と樋口が言うように、すでに今季1試合ほど国立で戦っているアントラーズにとっては有利に働く点であろう。
「自分たちの目標を達成できるチャンスがある以上、しっかりと戦い続けていく」。このピトゥカの言葉は、チーム全体の気持ちを表わしたものだ。そして、前を向き、戦い続ける選手たちを支えてくれるのは、明日の国立にも多く駆けつけてくれるであろう、12番の存在。ファン・サポーターと一体となって、選手たちはこの先も戦い続ける。まずは明日の神戸戦で、自分たちのプライドを示そう。