PREVIEW

　前節のホーム新潟戦は、前半は新潟を圧倒し、垣田、優磨のゴールで2点をリードする。そして後半に息を吹き返した新潟に押し込まれながらも、GK早川を中心にしっかりと守り切り、2-0と勝利した。苦しみながらも全員で手にした勝ち点3は、今後の戦いにおいて大きな意味を持つ。

　しかし試合後の選手たちの表情からは、一様に自分たちのふがいなさでやり切れない感情が読み取れた。DFの最終ラインで完封勝利に貢献した関川が、「戦況が難しい時間帯にどのようなプレーを選択すべきか、ピッチ内でもっと共有しなければならない」とチームの課題をあげると、相棒の植田も「試合の終盤はプラン通りにいかない時間帯もあった」と振り返る。そんななか、岩政監督は「前半の選手たちの勢いも、後半に耐えたところも、ファン・サポーターの皆さんのおかげだ」と、我らの聖地カシマで選手たちを熱く支えてくれたアントラーズファミリーに感謝の意を捧げた。そしてこの感謝は、選手たちも同じように感じている。ピッチ上だけではなく、それを取り囲むカシマのスタンドでも全員がひとつとなり、戦う時のアントラーズは間違いなく、強い。

　ファン・サポーターとの一体感を強く感じながら臨む次の試合は、湘南と対戦する。湘南とはリーグ前半戦、ホームで戦い、1-0と勝利。樋口が見事なFKで湘南を一撃に仕留めた姿が印象に強く残っている。運動量が多く、攻守にアグレッシブな相手にはやはりセットプレーといった武器が大きな意味を持つことを示した試合でもあった。

　現在、最下位に沈む湘南はホームの利も得ながら、必死の覚悟で臨んでくることだろう。さらに我らがエース優磨は累積警告で今節は出場停止だ。しかし、我々にとってすべての試合が決勝戦であることは変わりない。必勝あるのみ。あつく燃える湘南の地で、アントラーズファミリー全員でともに戦い、必ず勝ち点3をつかみ取ろう。