アントラーズヒストリー
国立競技場の思い出、名古屋グランパスとの激闘の記憶から、10の出来事を振り返ります。
すべてはここから始まった
神様のハットトリック
Jリーグ加盟は「99.9999%不可能」と言われたクラブが、オープニングマッチで圧勝劇を演じてみせた。「献身、誠実、尊重」というスピリットをアントラーズに植え付けた“フットボールの神様”がハットトリックを決め、5-0で勝利。「鹿島アントラーズ」という存在を、国内外に強烈に印象付けた。
1993年5月16日 Jリーグサントリーシリーズ第1節
鹿島アントラーズ 5-0 名古屋グランパスエイト(カシマスタジアム)
得点者:ジーコ3、アルシンド2
事実上のJリーグ初制覇決定
カシマが祝祭空間と化した
4ゴールを奪って逆転勝利を収め、優勝争いを繰り広げていた名古屋に引導を渡した。最終節を残して、2位横浜Fとの勝ち点差は3。並ぶ可能性はあったが、得失点差で10ポイント以上の差をつけていたため、悲願のJリーグ初制覇が事実上決定。優勝を確信した聖地カシマが、歓喜の渦に包まれた。
1996年11月6日 Jリーグ第29節
鹿島アントラーズ 4-2 名古屋グランパスエイト(カシマスタジアム)
得点者:眞中靖夫2、マジーニョ、相馬直樹
若武者の躍動
黄金期到来の予感
中田浩二、小笠原満男。当時20歳の若武者にして、今や押しも押されもせぬクラブレジェンドたちが、プロキャリアで初めて開幕スタメンの座を掴んだ。国立での開幕戦、アントラーズを勝利に導いたのは中田のヘディングシュート。その躍動は、後に来たる黄金期を予感させるものだった。
2000年3月11日 Jリーグ ディビジョン1 1stステージ第1節
鹿島アントラーズ 1-0 名古屋グランパスエイト(国立競技場)
得点者:中田浩二
鮮烈なVゴール
史上初の三冠達成
2000シーズン、ヤマザキナビスコカップ(現・JリーグYBCルヴァンカップ)とJリーグを制していたアントラーズが、次なる栄光を目指して元日・国立に乗り込んだ。延長戦に突入した激闘に終止符を打ったのは、小笠原満男の豪快なボレーシュート。史上初の三冠達成を果たし、新たな歴史を刻んだ。
2001年1月1日 第80回天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝
鹿島アントラーズ 3-2 清水エスパルス
得点者:小笠原満男2、鈴木隆行
輝きを放ったクリスタル
衝撃の2ゴールで赤い悪魔を撃破
フットボールの母国・イングランドの名門と対峙したアントラーズが、国立に衝撃をもたらした。本山雅志の2ゴールで“赤い悪魔”を撃破。クリスティアーノ ロナウドやルーニーらを擁する世界屈指の強豪を相手に、アントラーズが誇る背番号10がその才能を存分に解き放った真夏の夜だった。
2005年7月28日 GTF CUP 2005
鹿島アントラーズ 2-1 マンチェスター・ユナイテッド(国立競技場)
得点者:本山雅志2
二冠達成の歓喜、
そして訪れた別れ
“奇跡の大逆転”と称されたリーグ優勝に続いて、天皇杯を制覇。しかし試合後、待っていたのは歓喜とは相反する感情だった。移籍の可能性を報じられていた柳沢敦が、スタンドへ駆け寄って一礼。それは、別れの予感が現実のものとして、目の前に現れた瞬間だった。サポーターの悲鳴にも似た歌声が、鳴りやむことはなかった。
2008年1月1日 第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝
サンフレッチェ広島 0-2 鹿島アントラーズ(国立競技場)
得点者:内田篤人、ダニーロ
フットボールとともにある日常
その喜びを噛み締めて
クラブ創設20周年という節目の年。東日本大震災で甚大な被害を受け、カシマスタジアムが約3カ月間、使用不可能な状況となった。中断期間を経て、迎えた公式戦再開。勝てなかった悔しさ、しかしそれ以上に、フットボールのある喜びが、国立を包んでいた。背番号12とともに、アントラーズが再び歩み始めた。
2011年4月19日 AFCチャンピオンズリーグ グループステージ第4節
鹿島アントラーズ 1-1 水原三星ブルーウイングス(国立競技場)
得点者:田代有三
カシマではなく国立で、迎えたリーグ再開初戦。横浜FMのサポーターが「来年は鹿島でやろう」という横断幕を、選手たちは「WITH HOPE」というバナーを掲げてくれた。フットボールファミリーの友情と、真剣勝負の緊張感がピッチを覆う中で戦い抜いた、雨中の90分だった。
2011年4月23日 Jリーグディビジョン1第7節
鹿島アントラーズ 0-3 横浜F・マリノス(国立競技場)
大雪で会場変更の開幕戦が
“旧国立”での最終戦に
山梨県が大雪に見舞われた影響で会場変更を余儀なくされた、アウェイでの開幕戦。図らずもこの一戦が、“旧国立”で戦った最後の試合となった。初の開幕スタメンを勝ち取った昌子源、土居聖真をはじめ、フレッシュな面々が躍動した90分。会心のゴールラッシュで白星スタートを切った。
2014年3月1日 Jリーグディビジョン1第1節
ヴァンフォーレ甲府 0-4 鹿島アントラーズ(国立競技場)
得点者:ダヴィ2、遠藤康、昌子源
“新国立”での初陣
忘れ得ぬ屈辱と悔しさ
退任が決まっていた大岩剛監督とともに臨んだ、最後のトーナメント。“新国立”のこけら落としとなった元日・決勝で有終の美を飾るべく、チーム一丸で臨んだが、待っていたのは屈辱の結末だった。前半に負った2点のビハインドが重くのしかかり、完封負け。神戸に初のタイトル獲得を許した。
2020年1月1日 第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝
ヴィッセル神戸 2-0 鹿島アントラーズ(国立競技場)