PREVIEW

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 アウェイ新潟戦の試合後、選手たちは喜びよりも安堵の表情を浮かべていた。ここまで思うような結果が出なかった分、大きな重圧がかかっていたのだろう。逆境をともに乗り越えて、チームの絆はさらに深まったように見えた。勝利こそがチームを前進させる。そう強く感じさせられる試合だった。

 新潟戦ではここまでリーグ戦で出場機会が限られていた垣田や仲間、名古らがスタメンに抜擢された。彼らは幾多もの逆境を乗り越え、這い上がってきた選手たちだ。そのタフなメンタリティは、チームに前向きな活力を与えてくれた。岩政監督も試合後に彼らをこう賞賛する。

「まず走ってみることで見える景色がある。それをすでに分かっていて、プレースタイルとして身についている選手たちだと思う。守備のタスクでも、一昨日の練習でうまくハマる部分があった。そしてメンタリティでも、キャリアの中で苦しい状況を乗り越えてきた選手たちなので、この苦境に対しても、選手たちを引っ張って先頭に立って乗り越えてくれると思っていた」

 チームのために献身的に戦う姿勢。それを改めて示し、勝利をつかみ取れたことに大きな価値がある。

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 しかし、ここで立ち止まることはできない。大きな壁を乗り越えた次の試合が重要だ。選手たちもそれをよく理解している。優磨が「1勝で一喜一憂しすぎないようにしないといけない。1勝して喜ぶのではなく、2連勝、3連勝とできるようにしていきたい」と語れば、仲間も「勝利することが、アントラーズにとっては普通だと思う。勝てたことは嬉しいが、これで満足することなく、次へ向けて全員でまた取り組んでいきたい」と話す。そして、広瀬も「次勝たないと、今日勝った意味がない。積み上げていけるように、これを崩さないように練習からしっかりやっていきたい」と語っていた。

 強いチームになるために、まだまだ乗り越えなければいけない課題がたくさんある。ただ、課題を乗り越えるためには、理想と現実に折り合いをつけ、勝ちながら前へ進まなくてはならない。これからも我慢強く、戦い続けることが必要だ。

 次のG大阪戦も、求められるのは勝利のみ。カシマスタジアムに馳せ参じるアントラーズファミリーとともに戦い、必ず勝利の喜びを分かち合おう。

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