今から遡ること4ヶ月、2022シーズンのホーム最終戦後のセレモニーで、岩政監督はこう宣言した。
「選手たちはいま、これまで目をつむってきたことにも目を背けず、勇敢にチャレンジを続けています。ミスや失敗もあります。しかし、彼らは一歩、二歩と進んでいます。ぜひ皆さんも声をかけてあげてください、拍手してあげてください、思いを届けてあげてくださいーー。この選手たちは必ず成し遂げます。僕は1年間、見てきました。必ず彼らは勝者になります。そして、そのときにはこの2022年があったからこそ、この日があると喜び合えると信じています。来年、それにチャレンジします」
目を背けていたことに向き合い、乗り越える。それは当然、痛みや我慢も要する挑戦になる。しかし、急速に進化した現代フットボールで『勝つ』ためには、従来のスタイルを大きくアップデートしなければならない。すべては『勝つ』ために、覚悟を決めるときがきた。
そして、例年より長いオフシーズンを経て、1月6日よりトップチームが始動した。新加入選手が加わり、チーム内の競争はさらに活性化。トレーニングの雰囲気は、昨季にも増して熱を帯びた。
1月17日には宮崎へ移動し、翌日から本格的にキャンプがスタート。徳島、岡山、町田とトレーニングマッチを行い、重点的に取り組んだ守備面でたしかな手応えを掴んだ。ただ、時間を要する攻撃面でのアップデートは発展途上にある。シーズンを通して、試合を重ねるごとに向上させていく必要がある。岩政監督も次のように話した。
「開幕時点で、我々は日本一のチームではない。しかし、シーズンを通して、若い選手たちが競争と成長をもって、チーム力を上げ、最後には一番上に立っていられるように、戦っていく。ファン・サポーターの皆さんには、1年間、選手たちの成長を楽しんでもらいたい。今シーズンも『ひとつに』なって、ともに戦ってほしい」
そして、瞬く間に時は流れ、開幕前最後の対外試合、プレシーズンマッチの水戸戦に臨む。開幕直前に手の内すべてを見せることはできない。しかし、この試合に勝利すれば、選手たちはより一層、自信を深めることができる。
どんな状況でも、試合に臨む姿勢は変わらない。すべてのアントラーズファミリーが団結して、勝利のために戦う。