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 YBCルヴァンカップ プレーオフステージ 第1戦は、0-1という結果に終わった。誰よりも勝利を追求する鈴木優磨が、この結果にどれほどのフラストレーションを抱いただろうか。だが試合後、彼は感情を抑え、冷静にこう語っていた。

「福岡の守備は固かった。なんとか1点を取ろうという意識はチーム全体であったが、今日に関しては福岡にうまく試合を進められたと感じている。ただ、カシマでの試合では、相手はうまくいかないと思う。0-1と悪い結果ではあるが、そこまで悲観することはない。ポジティブに考えている。ホームではまた違ったゲームになる。ホームで必ずひっくり返す。そういう思いで第2戦を戦いたい」

 優磨は自分がチームに与える影響力をよく理解している。だからこそ、ポジティブなメッセージを発した。「俺とか、年齢が上の方の選手たちが、ネガティブな感じになってしまったら、若い選手たちはどうしたらいいかわからなくなってしまうーー」。少しだけ胸の内を明かしてくれたが、彼がいま背負うものは、我々の想像よりも遥かに大きい。

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 ただ、真っ直ぐな性格の彼が放つ言葉に、噓偽りはない。自分とチームメートを信じているからこそ、彼は「悲観することはない」と、きっぱり言い切った。そして、アカデミーで育ち、団結したアントラーズファミリーの力強さを肌で感じてきたからこそ、彼は「ホームで必ずひっくり返す」と誓う。

「カシマスタジアムでの試合というのは、対戦相手からしたらすごく嫌だと感じると思う。それに加えて、応援があるというのは、選手にとってすごく力になる。応援がプラスされることによって、相手チームは、より嫌だと感じると思う。現在のスコアは負けている状況だけど、自分たちにもチャンスはある」

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 我々のホームでの強さは、決して偶然ではない。聖地の熱気はアントラーズレッドの闘争心に火をつけ、対戦相手を凌駕する。背番号12が絶大な力を発揮してきたからこそ、これまで何度も劇的な逆転勝利を繰り返し実現できた。

「最悪、1点決められたとしても、カシマスタジアムであれば3点返せると思っている。失点しないことが一番大事だが、失点しても慌てることなく戦う」

 どんな苦境に立たされても、味方を信じ、戦えること。信頼と団結は我々の大きな強みの一つだ。

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「カシマスタジアムでは、どんな点差であっても、勝てるという自信がある。カシマスタジアムには様々な力が宿っている。日本に帰ってきて、あらためてそう感じた」

 0.0001%の可能性を信じ、誕生したカシマスタジアム。幾多もの逆境を団結力で乗り越えてきた軌跡が、この地にはある。それをその目に焼き付けてきた優磨は自ら歴史の一部となり、最前線でさまざまなものを背負い、戦っている。その覚悟と心意気は、尊い。

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 堅守の福岡相手に2ゴールを奪うことは、決して簡単なミッションではない。ただ、彼ならば、きっと我々に歓喜をもたらしてくれるはずだ。

「コロナの影響もあり、声を出しての応援ができない中、このタイミングで声を出せるというのは非常に良いタイミングだと思う。チームにとっても僕個人にとってもプラスになる」

 聖地で心からの愛情を表現し、背番号40を力強く後押ししよう。第2戦での逆転突破を目指し、鈴木優磨は全身全霊をかけて戦う。

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