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 数年前は想像すらできなかった場所にたどり着いた。仲間隼斗はアントラーズ加入時にそう語った。

「1、2年でプロのキャリアが終わってしまうのではないかと思ったこともあった。でも、アントラーズに加入できた今、遠回りはしたけれど、自分がやってきたことが間違いではなく、一歩、一歩、進めていたのかと思う」

 仲間は柏レイソルのアカデミーからトップチームに昇格できず、J2のロアッソ熊本からプロキャリアをスタートした。J2で9年間を過ごしたのち、柏へ復帰し、今季からアントラーズに加わった。さまざまな経験を経て、たくさんの苦労を味わってきた仲間だからこそ、いまの環境に心から感謝し、チームのために献身を尽くすことができる。

「チームのためになるならば、どんな仕事もいとわず引き受ける。その覚悟をもって、アントラーズに加入した。みんなと信頼関係を深めながら、もう一度、強いアントラーズをつくっていきたい」

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 個人の結果よりも、チームの結果が最優先。いつ話を聞いても、「得点を取れたらいいけれど、チームが勝つ方が嬉しい。チームの勝利につながるゴールを取りたい」と、常にフォア・ザ・チームを貫く。その献身的な姿勢は、チームメートの誰からも尊敬と信頼を集めている。

「自分のなかで、絶対に自分がゴールを奪ってやるとは考えていない。常にチームが勝つために何をすればいいのか、チームが負けないためにはどうすればいいのかをずっと考えている。自分がゴールを決めたとしても、それは自分だけのゴールではなく、チームが奪ったゴール。たまたま最後に自分がボールに触っただけにすぎない。それよりも、チームのために何ができたか、チームのために100%の力で役割を果たすことができたのか。それを大事にしていきたい」

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 そんな仲間とともに、次は京都サンガF.C.とのアウェイゲームに臨む。本人は「あまり覚えていない」というが、仲間はJ2の讃岐、岡山在籍時、京都相手に10試合中5試合でゴールを記録している。特別な意識をすることはないが、「数字を残せているのはポジティブなことだし、流れに乗って得点をしたい」と、京都へのイメージは悪くない。今節は仲間の求める「チームを勝利に導くゴール」が期待される。

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 また、仲間にとって、もう一つモチベーションになるのが、京都に在籍する武富孝介の存在だ。武富は仲間の2つ年上で、同じ柏のアカデミーで育った。プロ1年目の熊本でも、お世話になった憧れの存在だ。

「ユースでも一緒にプレーしたし、プロ1年目の熊本でもお世話になった。うまいし、かっこいいし、天才的なプレーヤー。ユース時代から憧れの存在だった。また、試合でバチバチに戦えることが楽しみだし、尊敬しているからこそ、負けたくない」

 これまでの経験があったから、いま自分はここにいる。支えてくれた方々への感謝と、フットボールへの熱き思いを胸に、仲間隼斗はアントラーズの勝利のために全力を尽くす。

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