PREVIEW

photo

 先の天皇杯ラウンド16はリーグ戦からメンバーを入れ替えながらも、G大阪に2-0で完封勝利し、準々決勝進出を決めた。試合後に選手たちも安堵の表情を浮かべていたが、一発勝負でプレッシャーがかかる試合で勝利できたことは、今後に向けて大きな自信となる。

 内容に目を向けても、非常に多くの収穫を得た一戦だった。スーパーゴールを決めたピトゥカ、ストライカーらしい一発を決めたエヴェラウドの活躍はもちろんのこと、前半戦で苦しんだ選手らが本来の力を見せてくれたことは、チームにとって、本当に喜ばしい出来事だ。

 中盤で先発した舩橋と中村は、球際やセカンドボールの予測でも優位に立ち、特長であるゲームコントロールの部分で持ち味を発揮した。試合前に舩橋は「2人で試合に出れない悔しさを一緒に味わった。お互いに良いところを引き出し合いながら、ゲームをつくって、最終的に勝利を掴み取りたい」と語っていたが、まさに有言実行の活躍だった。

photo

 また、久々の先発出場となったアラーノの活躍も光った。途切れることのないエネルギッシュなプレーで、連戦中のチームに活力を注入。出場機会が限られていた間も、しっかりと準備していたことをピッチ上で示してみせた。

 そして、なんといってもエヴェラウドのゴールをアシストした安西の活躍だ。彼の苦悩と裏側の努力を知るチームメートは、ゴール後、一目散に安西のもとへ向かった。安西は「プレーしてきてこんなに苦しい思いをしたことはなかったし、自分ではそれを表に出しているつもりはなかったが、チームメートは気にかけてくれていた」と喜びを語ったが、あらためて、チームの絆が深まった一戦だった。

photo

 そんな充実の試合を終え、次はリーグ戦に戻る。余韻に浸る時間はない。5連戦の最後の試合で中2日。選手たちに疲労が蓄積していることは否めないが、首位横浜FMとの勝ち点差をこれ以上離されるわけにはいかない。

 対戦相手となるヴィッセル神戸は監督交代を機に、現在公式戦4連勝中と勢いに乗っている。拮抗した残留争いを抜け出すべく、アウェイで貪欲に勝ち点を目指して戦ってくるはずだ。今節も非常にタフで難しい試合展開となることが予想される。

 苦しく、我慢を強いられる時間帯は必ずやってくるだろう。その時間帯をいかに全員で乗り越え、エネルギーを持って前に出ていけるか。試合のポイントは忍耐力にある。

 アントラーズファミリーの力強い応援は、苦しい時間帯で必ず選手たちの足と心を動かすはずだ。心をひとつに戦い、必ずや勝利を掴み取ろう。

photo

pagetop