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 上田綺世はエースとしての覚悟を胸に、2022シーズンに臨んだ。

「自分がチームの結果を背負っている。その自覚を持って、チームを引っ張っていく」

 その言葉通り、上田は開幕戦でいきなり2ゴールを決め、チームを勢いづけた。そこから好調を維持して、リーグ戦7試合で5ゴールを記録。非の打ち所がない成績を残している。

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 ただ、現状に満足する様子は一切見られない。「まだまだチャンスメイクできていないところが、自分の課題。シュートのバリエーションをもっと増やす必要があるし、もっとチームを助けられるようにしたい」と、貪欲に進化を目指す。彼が追い求めるのは、ゴールだけでなく、「チームの勝利に繋がるプレー」だ。

 そんな個人成績よりもチームの成績を重視する上田にとって、加入からの3シーズンは、非常に悔しい結果だった。獲得したタイトルはゼロ。幼い頃から見てきた「強いアントラーズ」の姿ではない。

「僕はアカデミーのときから在籍していて、アントラーズがどういうクラブなのか、だいたい把握しているつもりだし、それを理解したうえで加入した。タイトルという形でチームの結果を残したい思いが、年々強くなっている」

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 ただ、気持ちだけでタイトルを獲れるほど甘くはない。それは上田自身が一番よく理解している。

「タイトルの獲り方は、獲ったことがない自分には分からない。『タイトルを獲らなければいけないんだ』と思い続けてきたけど、どうやってそれを実現するのか、まだぼやけているところがある。だから、今年はその方法を新しく作っていく楽しみも感じている。ほとんどの選手がタイトルを知らないような若いチームだけど、レネ監督や岩政コーチなど、これまでにタイトル獲得を経験しているスタッフがいて、これ以上ないような環境が整っている。若さを活かして新しいアントラーズをつくりたい」

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 今の若いチームには、間違いなくポテンシャルの高い選手は揃っているが、経験不足は否めない。だからこそ、チームが一丸となって戦うことが重要になるし、経験不足の部分はアントラーズファミリーに後押しして欲しいと、上田は話す。

「ファン・サポーターの皆さんと一緒にタイトルを獲るために、みんなで支え合って、団結して、シーズンの最後までフレッシュに、タフに、そして諦めずに戦い抜く。若いチームなので、試合ごとにいろいろな選手が活躍するだろうし、そのなかでサポーターの皆さんは推しの選手を見つける楽しみ方もできると思う。サポーターの皆さんにはスタジアムに足を運んでもらい、この若いアントラーズの応援を楽しんでほしい。僕は心からそう思う」

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 横浜FM戦はリーグタイトル奪還に向けて、絶対に負けられない。上田はリーグにおける横浜FM戦で、5試合連続ゴール中(5試合6ゴール)と相性が良い。本人も「最終ラインが高い相手なので、僕の武器が合いやすい」と話し、良いイメージを持っている。

 ただ、決して油断はない。「相手も力のあるチームなので、連勝中の勢いを利用しながらも、丁寧に戦っていきたい」と気を引き締め、勝利のために、スタジアムに集う全員の力が必要だと語る。

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「チームとして、うまくいっているなという感覚はあるが、それは決してすべてではない。勝負強さや粘り強さは結果に結びついているので、そこは継続したまま、自分たちの色を濃くしながら、もっと攻撃的に戦いたい」

 背番号18に力強い拍手を贈ろう。彼ならばきっと期待に応えてくれる。悲願の初タイトルへ。綺世はチームの勝利のために、貪欲にゴールを狙う。

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