PREVIEW

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 ここ数か月、チームは万全の状態で戦うことが出来なかった。負傷者の続出、連戦の蓄積疲労によるコンディションの低下、次から次へと降りかかる様々な問題に悩まされた。

 だが、それでもチームは一丸となって戦い続けた。明治安田J1第29節 松本戦では、先制を許しながらもアウェイで引き分けに持ち込み、天皇杯準々決勝 Honda FC戦では、苦戦を強いられながらも、ワンチャンスをものにして勝利を掴んだ。最高の内容、結果ではなかったかもしれないが、最善の努力を尽くしたことで、最低限の結果を手に入れた。

 苦しい時期を総力戦で耐え抜いたチームは、ようやく怒涛の連戦から開放され、つかの間の休息を得た。この休息期間がチームにとって大きかった。試合に出場した選手たちはコンディションを回復させ、負傷離脱を余儀なくされていた選手たちが、続々と全体練習に合流を果たした。すると、オフ明けの全体練習からチームの雰囲気は一変した。怪我人の復帰によってチーム内の競争が激しくなり、一つ一つの練習の強度が高まり、これまで以上にトレーニングは熱を帯びていった。怪我人続出のなかでもチームを支え続けた白崎は、「久しぶりにピリっとした紅白戦になったというか、今週は練習から良い雰囲気が勝つ雰囲気が出てました」と、手応えを語った。

 そして迎えたホーム浦和戦、良い準備は良い結果につながった。スコアこそウノゼロだったが、負傷からの復帰組がアグレッシブなプレーをみせ、チームにどことなく漂っていた閉塞感を打破してみせた。久々に好調時のチームの雰囲気が蘇った。

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 苦しい期間を経たことで、チームはより一層団結した。ピッチに立つ選手は、出場できない選手の気持ちを背負って自らの役割を懸命にこなし、試合に出場できない選手は、懸命にリハビリに取り組みながら、ピッチに立つ選手を最大限サポートする。浦和戦の試合後に三竿が「試合に出ている選手たちは、上手くいかなくてもアウェイで我慢強くやってくれていました。怪我から戻った選手たちは、そういう(感謝の)気持ちをプレーで見せる必要はあると思います」と仲間への感謝を語っていたが、チームの絆はより深くなっている。

 もちろん、絆は選手間だけに生まれるものではない。浦和戦の試合後、レオ シルバは「まずはアントラーズのメディカルに感謝しなければいけないです。彼らが最善の努力をしてくれたおかげで、良い状態で戻れました。あとはチームに貢献出来るにように努力するだけです」と開口一番、メディカルスタッフへの感謝を話した。選手だけでなく、ともに戦う、監督、コーチ、スタッフも結束を固めている。

 また、アントラーズファミリーとの絆も選手たちを勇気づけた。浦和戦で値千金の決勝ゴールを決めたセルジーニョは「このクラブはサポーターがあってのクラブだと思いますし、サポーターの応援があるから僕たちは力を発揮できます。僕自身もそうですが、チームメイトもサポーターもゴールが待ち遠しかったと思います。その気持ちが、自然とサポーターとともに喜びに行くという形になりました」と話した。献身的なプレーでチームを支える白崎も「ホームのサポーターの声援はやっぱり力になります。ホームの雰囲気は独特だし、声援にしっかり応えたい、結果を出したいなと思いますね」と語った。

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 選手、監督、コーチ、スタッフ、サポーター。アントラーズを愛する全ての者が、想いを一つにして戦い続けている。どんな時も全員で、チーム一丸で、勝利のためだけに戦っている。

 今日の対戦相手は川崎Fだ。現在、アントラーズと川崎Fの勝ち点差は5ポイント、この一大決戦に勝利することは、優勝への絶対条件となる。YBCルヴァンカップで味わった屈辱を晴らすまたとないチャンスであり、川崎Fのリーグ3連覇を自力で阻止できるチャンスだ。絶対に勝利しなければいけない。

 ここまで幾多もの困難を全員で乗り越えてきた。我々ならばどんな相手だろうが、必ず勝利できる。カシマスタジアムに集う全員の気持ちを共鳴させ、力強く勝利を掴み取ろう。アントラーズレッドの歓喜を響かせるために。今日も全身全霊をかけ、一丸となってともに戦おう。

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