2007 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 第34節 vs清水エスパルス
2007.12.01(土)14:30キックオフ
 

 清水エスパルスに3-0で快勝し、念願の10冠を達成した。勝ち点1差で首位に立っていた浦和レッズが横浜FCに敗れたため、アントラーズが逆転優勝を飾った。20分に小笠原のPKに先制し、48分本山、58分マルキーニョスと後半に2ゴールを追加して9連勝とリーグ制覇を手繰り寄せた。

 ともに4-4-2ながら、清水のダイヤモンド型に対し、アントラーズはボックス型の中盤。マークを確認し合い守備がかみ合うまでの間は清水に攻勢を許すシーンもあったが、時間を追うごとに構成力で上回るアントラーズの中盤が主導権を握っていった。20分、石神からのパスを受けたマルキーニョスがペナルティーエリアで倒されて得たPKを、小笠原が決めて先制した。26分にもマルキーニョスが巧みなフェイントでDF2人を交わしてシュートしたが、ゴール左に外れた。42分には田代が角度のない位置からループ気味のシュートを放ったが、これも枠をとらえることができなかった。

 後半に入ってすぐの48分、CKからのこぼれ球を、本山がゴール前20メートルの位置からミドルシュート。GKの手から逃れるようにカーブして左スミに決まった。58分にはGK曽ケ端の蹴ったクリアボールが直接最前線の田代に届き、田代が絶妙のタイミングでDFの間を抜くパスをマルキーニョスに送った。マルキーニョスはファーストタッチに失敗してDFに詰められたものの、2度3度とフェイントをかけてシュートコースを作り、自己記録を更新するシーズン14ゴール目をマークした。

 浦和戦の結果を知らないまま戦ったイレブンは、試合後に大型スクリーンで映し出された映像で浦和の敗戦を確認。サポーターとともに歓喜の瞬間を味わった。さらに、試合後はサポーターとのシャンパンファイトで喜びを分かち合った。

【アントラーズ記録メモ】
★リーグ優勝5回、3大タイトル制覇10回ともに最多記録を更新
★9連勝は03年に延長戦が廃止された現行ルール下では初
★勝ち点72は延長戦廃止後の最多タイ記録(06年浦和に並ぶ)
★年間22勝は延長戦廃止後の最多タイ記録(06年浦和に並ぶ)
★最終節前までに1度も首位がなかったチームが優勝するのは初
★その年のA代表の試合に、所属選手が1人も出場していないチームが優勝するのは初

 
会場:カシマサッカースタジアム・観衆:31,384人・天候:曇のち晴
鹿島アントラーズ vs 清水エスパルス
3 1 前半 0 0
2 後半 0
20分:小笠原 満男
48分:本山 雅志
58分:マルキーニョス
得点
(アシスト)
 
  警告  
  退場  
81分:IN:興梠 慎三
    (OUT:田代 有三)
85分:IN:柳沢 敦
    (OUT:マルキーニョス)
88分:IN:遠藤 康
    (OUT:野沢 拓也)
交代 61分:IN:原 一樹
    (OUT:岡崎 慎司)
61分:IN:戸田 光洋
    (OUT:市川 大祐)
73分:IN:西澤 明訓
    (OUT:フェルナンジーニョ)
スターティングメンバー
鹿島アントラーズ
曽ケ端 準 GK 21
内田 篤人 DF 2
岩政 大樹 DF 3
大岩 剛 DF 4
石神 直哉 DF 22
青木 剛 MF 15
小笠原 満男 MF 40
本山 雅志 MF 10
野沢 拓也 MF 8
マルキーニョス FW 18
田代 有三 FW 9
 SUB
小澤 英明 GK 1
増田 誓志 MF 14
中後 雅喜 MF 16
遠藤 康 MF 25
大道 広幸 MF 30
柳沢 敦 FW 13
興梠 慎三 FW 17
 
清水エスパルス
西部 洋平 GK 21
市川 大祐 DF 25
青山 直晃 DF 26
高木 和道 DF 4
児玉 新 DF 2
枝村 匠馬 MF 16
伊東 輝悦 MF 7
藤本 淳吾 MF 10
フェルナンジーニョ MF 17
矢島 卓郎 FW 9
岡崎 慎司 FW 23
 SUB
掛川 誠 GK 1
岩下 敬輔 DF 5
廣井 友信 DF 27
戸田 光洋 DF 11
高木 純平 MF 14
原 一樹 FW 19
西澤 明訓 FW 20
 
監督コメント
<ハーフタイム>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
・最終ラインの守備のバランスを整え奪ったボールは両サイドのスペースを基点に攻撃を組み立てよう。
・残り45分しっかり集中して戦うこと。
清水エスパルス:長谷川 健太監督
  ・問題は無い。よくボールも動いているし、チャンスも作れている。
・もっとテンポを上げて、どんどん仕掛け続けること。そしてみんなで点を取ろう。
 
<試合終了>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
  今やっと気持ちが少しさめてきて、なんとなく優勝の実感が湧いてきている。
(表彰式のセレモニーでは)気持ちが入りすぎてどうなっているか、皆さんにわからない状況になってしまったことをお詫びします。
節目として考えるといろいろあったと思います。
メンタルのコントロールは難しく、首位との差が勝ち点11だったときからまだ最後まで何が起きるか分からないと言い続けていた。
勝たなくてはいけない状況、ワーストの出足から最後は優勝というシナリオになった。
連勝していく中で選手個人の自信もついてきたし、スタッフとの信頼感や全員の意識が高まっていた。彼らが僕を信じて取り組んでくれたことで、最後は優勝につながった。
このような仲間と仕事ができること、そしてクラブ、日本のサッカーの歴史に刻もうと言っていたことが最後に実現できた。彼らの力、頑張りがあって結果を成し遂げることができた。
清水エスパルス:長谷川 健太監督
  まず鹿島の選手・クラブ関係者・サポーターの皆さんへおめでとうと言いたい。我々は他会場の結果を知らずに戦っていたので、ロスタイムになってスタンドがやけに騒がしいなと思って結果を知って理解できた。
今日はカシマスタジアムへ引導を渡すつもりで乗り込んできた。試合内容は素晴らしく選手達は最後までよくやってくれたし、イニシアチブも取れていたと思う。 ただ、前半でPKを与えてしまうと苦しくなる。選手は最後までプライドを持って戦ってくれたと思う。リーグ戦4位という結果で終わったが、今日、目の前で相手の優勝シーンを見ると『もっと頑張らないといけない』と言われているような気がした。次の天皇杯、そして来シーズンにつなげて、来年こそサポーターと喜び合えるようにもっと努力・精進していきたいと思う。
 

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