2007 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 第29節 vsジュビロ磐田
2007.10.20(土)15:00キックオフ
 

 宿敵ジュビロ磐田を3-1で下し、今季2度目の4連勝を飾った。相手が決定機を逃した直後、セットプレーからマルキーニョスが先制点を挙げ、岩政が追加点を決めた。1点を返されたものの、ロスタイムに途中出場の柳沢が日本代表GK川口との1対1を制してトドメの3点目を決めた。

 絶対的ピンチを相手がモノにできなかった「敵失」に乗じて、試合の流れをつかみとった。56分、ジュビロの鋭いカウンターを受け、前田から西へと決定的なパスが通った。プレッシャーをかけられる位置にアントラーズDF陣が誰もいない完全フリーの状態だったが、西が放ったノートラップのシュートはゴールの枠を大きくそれた。

 アントラーズに先制点が生まれたのは、その直後のことだった。58分、右サイドの小笠原のFKがファーポスト側に飛ぶと、マルキーニョス、田代と相手DF2人の合計4人が折り重なるように落下点へと殺到。最後は、強さを発揮したマルキーニョスが田代さえも弾き飛ばすように、ヘディングで合わせた。

 61分にはカウンターから田代がゴールライン寸前で折り返し、ゴール前に詰めたマルキーニョスが触れば1点・・・という決定機も生まれた。得点にはならなかったものの、縦への力強さを発揮してゴール前に迫る2トップの迫力が、相手に新たなプレッシャーを与えた。

 追加点は62分。野沢が蹴った左CKがゴール前で混戦を生み、こぼれたボールが右ゴールポストに当たる。このリバウンドを、岩政が右足でけり込んでゴールネットが揺れた。大岩、マルキーニョスも反応するなど、チーム全体のフィニッシュへの執念で押し込んだ。

 87分に田中誠にゴールを許して緊迫感が増したものの、ロスタイムに柳沢がダニーロのパスに反応し、GKとの1対1も制して3点目を決め、勝負あった。

 前半は互いに中盤でつぶし合い、激しいプレスがかかった。相手のパスミスを誘発し合う激しさは、ライバルと呼ばれた時代のような展開を生んだ。ゴール前にボールを運び合うスリリングな展開こそなかったものの、連続する球際の勝負はかつてこのカードが持っていた雰囲気とその記憶を呼び起こした。

 順位は3位のままだが、ナビスコカップ敗退のショックを乗り越えてつかんだリーグ4連勝で、再び2強にプレッシャーをかけた。次節・大分戦では、最近10試合で9勝1敗のカシマスタジアムで、今季初の5連勝を目指す。

  激闘の「跡」
ジュビロ戦後、クールダウンのため田代が寝転んだフロアには、汗でユニホームの跡がくっきりと浮かんだ。90分間、縦への脅威を与え続けた田代の献身ぶりを雄弁に物語っていた。
 
会場:エコパスタジアム ・観衆:25,961人 ・天候:晴
鹿島アントラーズ vs ジュビロ磐田
3 0 前半 0 1
3 後半 1
58分:マルキーニョス
62分:岩政 大樹
89分:柳沢 敦
得点
(アシスト)
87分:田中 誠
  警告 31分:加賀 健一
57分:鈴木 秀人
59分:村井 慎二
  退場  
76分:IN:ダニーロ
    (OUT:野沢 拓也)
83分:IN:柳沢 敦
    (OUT:マルキーニョス)
86分:IN:中後 雅喜
    (OUT:本山 雅志)
交代 54分:IN:鈴木 秀人
    (OUT:茶野 隆行)
65分:IN:上田 康太
    (OUT:村井 慎二)
73分:IN:林 丈統
    (OUT:成岡 翔)
スターティングメンバー
鹿島アントラーズ
曽ケ端 準 GK 21
内田 篤人 DF 2
岩政 大樹 DF 3
大岩 剛 DF 4
新井場 徹 DF 7
青木 剛 MF 15
小笠原 満男 MF 40
本山 雅志 MF 10
野沢 拓也 MF 8
マルキーニョス FW 18
田代 有三 FW 9
 SUB
杉山 哲 GK 29
後藤 圭太 DF 31
ダニーロ MF 11
増田 誓志 MF 14
中後 雅喜 MF 16
柳沢 敦 FW 13
佐々木 竜太 FW 34
 
ジュビロ磐田
川口 能活 GK 1
加賀 健一 DF 15
田中 誠 DF 5
茶野 隆行 DF 3
成岡 翔 MF 10
エンリケ MF 8
マルキーニョス パラナ MF 6
村井 慎二 MF 14
西 紀寛 MF 11
カレン ロバート FW 22
前田 遼一 FW 18
 SUB
佐藤 洋平 GK 21
鈴木 秀人 DF 2
犬塚 友輔 MF 17
太田 吉彰 MF 7
上田 康太 MF 27
林 丈統 FW 16
中山 雅史 FW 9
 
監督コメント
<ハーフタイム>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
・相手の背後のスペースをついていこう
・確実にパスをつないでいこう
・中盤でのマークを厳しくしよう
ジュビロ磐田:内山篤監督
  ・最終ラインは高い位置をキープして全体をコンパクトにしていこう
・マイボールになったときの動きだしを早くしよう
・後半立ち上がり、集中していこ
 
<試合終了>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
  素晴らしい結果だ。ジュビロはここ最近、高い内容の試合で勝ってきていた。そういう相手に勝つことができてよかった。ナビスコカップ敗退から気持ちが切り替わるかが心配されていたが、我々はリーグを戦っている。リーグに集中して1つでも上の順位に行くことを目指している。選手が目標を修正することを、うまく受け入れて試合に臨んでくれたと思う。
ジュビロ磐田:内山篤監督
  前半はガチンコのゲームだったが、前半の途中から少しずつ自分たちの時間を作ることができた。もう少し大胆にプレーしたら良かったが最後の精度とアグレッシブさが必要だったと思う。後半については、狙っていたとおりのチャンスを決めることができず、逆にセットプレーを決められてしまいアントラーズの抜け目なさやゲーム運びの上手さでやられてしまった。
全体を通して自分たちのサッカーをしようという意志は、選手の中にも十分に感じられたので次に向けてまた一歩ずつやりたい。
 

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