2007 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 第28節 vsヴィッセル神戸
2007.10.06(土)13:00キックオフ
 

 興梠と田代の先発2トップで3ゴールを挙げ、ヴィッセル神戸に3-1で逆転勝ちした。前半6分に先制点を許したが、興梠が16分、29分と前半だけで2ゴールをマークして逆転。後半に入って49分には、興梠のアシストから田代がアクロバティックなゴールで追加点を決めた。先発2トップがともにゴールしたのは、6月12日の広島戦(5-1で勝利)以来。高い身体能力を持つ2人が、頼もしい成長ぶりを披露した。

  立ち上がりから主導権を握ったかに見えた。開始34秒、果敢な飛び出しから石神がゴールを狙うがGKに弾かれ、2分には田代のヘディングがわずかにゴールをそれた。いつも以上に積極的な立ち上がりが、スタンドの期待を増幅させた。

  だが、先制点は神戸に転がり込んだ。6分、レアンドロへのマークがルーズになったことが突破口となってしまった。レアンドロからボッティにボールがわたり、ボッティのクロスを近藤がヒールで流すようにシュート。コロコロコロと転がったボールは、ファーポスト側のゴールマウスへと吸い込まれた。

この負の流れを興梠が2ゴールでひっくり返す。失点から10分後、左サイドでの空中戦の競り合いを制すると、自らが落としたボールに相手DFよりも早く追いつき、そのまま中央へと持ち込んでゴールを決めた。さらに29分には、内田の出場停止で右サイドバックに入った新井場のクロスに、ファーポスト側に走り込んで合わせた。持ち前のスピードが十二分に発揮された2ゴールで逆転に成功した。

後半に入って49分、DFラインの裏に抜け出した興梠が、ゴール右からシュートと見せかけてクロスを上げると、田代がオーバーヘッド気味のボレーで合わせて3点目が入った。興梠はこのアシストに加え、80分、小笠原のスルーパスに反応してゴールネットを揺らす。DFを背にして飛び出したように見えたが、判定はオフサイド。プロ初のハットトリックは幻となったが、破壊的なスピードと積極性で新しい風をチームに吹き込んだ。

守備陣では出場停止の曽ケ端の代役として2試合目を迎えた小澤が、57分にレアンドロのシュートを左手だけでセーブするなど活躍を見せた。終盤、北本のシュートが小笠原に当たって入る不運な形で失点したものの、試合全体を通して強い存在感を見せつけた。また、DFラインの広いカバーを任された青木も期待にこたえるプレーを見せた。

リーグ戦3連勝、ホームに限れば5連勝と再び勢いに乗り、ナビスコカップ準決勝に向け弾みをつけた。右太ももを痛めて神戸戦出場を見送ったマルキーニョスもガンバとの準決勝には戻る。この日の2トップに柳沢を含めたFW陣のポジション争いが、チームをさらに活性化させることになりそうだ。

 
会場:カシマサッカースタジアム・観衆:10,503人・天候:晴
鹿島アントラーズ vs ヴィッセル神戸
3 2 前半 1 2
1 後半 1
16分:興梠 慎三
29分:興梠 慎三(新井場 徹)
49分:田代 有三(興梠 慎三)
得点
(アシスト)
6分:近藤 祐介(ボッティ)
89分:北本 久仁衛
37分:青木 剛
89分:小笠原 満男
警告 7分:ボッティ
38分:レアンドロ
69分:小林 久晃
  退場  
67分:IN:中後 雅喜
    (OUT:本山 雅志)
77分:IN:柳沢 敦
    (OUT:田代 有三)
80分:IN:船山 祐二
    (OUT:石神 直哉)
交代 60分:IN:酒井 友之
    (OUT:栗原 圭介)
73分:IN:朴 康造
    (OUT:ボッティ)
80分:IN:ガブリエル
    (OUT:近藤 祐介)
スターティングメンバー
鹿島アントラーズ
小澤 英明 GK 1
新井場 徹 DF 7
岩政 大樹 DF 3
大岩 剛 DF 4
石神 直哉 DF 22
青木 剛 MF 15
小笠原 満男 MF 40
本山 雅志 MF 10
野沢 拓也 MF 8
興梠 慎三 FW 17
田代 有三 FW 9
SUB
杉山 哲 GK 29
後藤 圭太 DF 31
増田 誓志 MF 14
中後 雅喜 MF 16
船山 祐二 MF 23
柳沢 敦 FW 13
佐々木 竜太 FW 34
 
ヴィッセル神戸
徳重 健太 GK 30
石櫃 洋祐 DF 25
北本 久仁衛 DF 4
小林 久晃 DF 2
茂木 弘人 DF 11
栗原 圭介 MF 8
田中 英雄 MF 18
ボッティ MF 10
古賀 誠史 MF 45
レアンドロ FW 9
近藤 祐介 FW 19
SUB
榎本 達也 GK 1
坪内 秀介 DF 3
内山 俊彦 DF 15
朴 康造 MF 7
ディビッドソン 純マーカス MF 20
酒井 友之 MF 44
ガブリエル FW 27
 
監督コメント
<ハーフタイム>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
・何度か危ない場面があったが守備の時のマークをはっきり明確にしよう。
・攻撃はサイドチェンジを有効的に使って攻めよう。
ヴィッセル神戸:松田浩監督
  ・スキをつかれて失点してしまったがウチにはまだまだチャンスがある。まず1点取ろう。
・チャレンジとカバーをし合うこと、なるべくコンパクトにしていこう。
・我慢強くいこう。
 
<試合終了>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
  前半、後半どちらの守備が良かったというよりも、守備というのはチーム全体の意識が大事。
先制されても気持ちを落とさずに同点に追いつき、最後は3点取ることができた。
4点目のチャンスも3、4回あったが、決めることができなかった。最後に失点してしまったが、非常に守備の意識がチーム全体として良かったと思う。
ヴィッセル神戸:松田浩監督
  勝利目指して乗り込んできたが、勝ち点3も勝ち点1もあげられなかったのは残念。
3-1とされてしまった時点で厳しくなってしまった。
立ち上がりが非常に良くなかった。
その中で相手のスキを突いて先制できたのは良かったが、結果的にミスからの3失点。こういったミスをしてはならない。選手は同点を狙って最後まで戦ってくれた。
気持ちを切りかえて次に臨みたい。
 

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